フードコートでも親バトル発生
こういった子どものアミューズメント施設内におけるトラブル事例は、他にもある。今年の夏に関東の某遊園地に遊びにいったという3児の母のAさん(43)は言う。
「混み合う遊園地のフードコートで私物など何も置いてない空席を見つけたので、まず子どもを座らせて席を確保してからご飯を買いに行こうかと話してたら、子ども連れの男性が『あっ、すみませんそこ〜』って話しかけてきたんです。
最初は何を言ってるのか分からなかったんですが、よくよく聞くと『自分らが座ろうと思ってた、自分らの席だ』って言ってきたんです。
『え? ここなんか置いてありました? ちょっと意味がわからないんですが』と言ったら、『あっそういう人たちなんですね。子どもの目の前でよくそういうこと平然とできますね』って言ってきて驚きました」
今回のアンパンマンミュージアムのトラブルのように頭突きをされたわけでもないが、Aさんは静かな怒りを見せた。
「今回のミュージアムの動画、私も見ましたけど、黒いTシャツの男性は顔もバッチリ映っていて“コワモテ”な感じでしたよね。でも私に『そういう人たちなんですね』と言ってきた旦那さんも奥さんも、おとなしそうな夫婦でした。ああいう人が平然と筋の通らないことを言うのも怖いなって思いました」
同じく今年の夏に子連れで遊園地に行ったBさん(38歳)は、ショーを見ている最中にこんな災難にあった。
「子どもが立って騒いだりしたときに人にぶつからないように、夫婦で子どもを挟む感じでショーを鑑賞してたんですが、私の後ろにいた5歳と8歳くらいの男の子が2人でじゃれていて、ドンっと背中に当たったり、なんだろうって後ろを振り向いたタイミングで思いっきり足を踏まれて……それでも、その子どものお母さんもお父さんもスマホを見てて、まったく気づいてない様子でした。次の日、踏まれた足を見たら爪が内出血してました」
さまざまなトラブルが起こり得る子連れイベントのマナーについて、岡山県教育委員会キャリア教育支援員でマナー講師の平松幹夫氏は「一般的にマナーは2つの観点から成り立っています」と、気持ちよくイベントを楽しむ心得を解説する。
「マナーの上で大事なのは、思いやりの心を持つことと、人に不快な思いを与えない、ということです。アンパンマンミュージアムでの出来事は、まずこの2つの思いが皆無であり、マナー以前に暴力行為に発展してしまっていますね。大人同士、子どもが見ていないところでも、互いが譲り合い気持ちよく楽しく過ごせる意識が大事だと思います」
子連れイベントの場は子どもといっしょに、大人も楽しむための場だ。“なにをしてよろこぶ”のかを今一度考え直してほしい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













