シアトルで発展したエスプレッソ
エスプレッソはストレートで飲むほかにもさまざまなアレンジがあります。
小さめのデミタスカップ(フランス語で「半量=小さめのカップ」という意味)で、少量の砂糖を加えて飲むのがイタリア式ですが、エスプレッソをカフェラテやカプチーノ、キャラメルシロップやチョコレートシロップを使ったフレーバーコーヒーにして飲むのがシアトル系。イタリアのエスプレッソがアメリカに渡り、ワシントン州シアトルを中心に発展したものです。
カフェラテは、エスプレッソにスチームミルク(空気をふくませながら温めた牛乳)を合わせた飲み物です。似たものにカプチーノがありますが、こちらはエスプレッソにスチームミルクを加え、さらに空気を混ぜ込んで泡立てたフォームドミルクを加えるのが一般的です。カプチーノは空気の量が多めなので飲み口はふんわりします。
ちなみに「カフェオレ」はエスプレッソでなくドリップコーヒーにミルクを合わせたものなので、作り方がまったく違います。
ただ、これらの名前は地域や店舗によってズレがあります。たとえば、店によってカプチーノをカフェラテとしているところも、その逆もあります。あくまで参考程度の知識としてとどめておくくらいがちょうどよいでしょう。
カフェラテもカプチーノも、ミルクの白とエスプレッソの濃い色とのコントラストを利用して表面に絵を描くことができます。これが「ラテアート」です。
ラテアートが初めて描かれたのは1985年イタリアのバールでのことでした。それがシアトル系コーヒーショップで流行し始め、世界中に広まりました。簡単な文字から、ハートやリーフといった模様、動物、キャラクターといった難しい造形まで……。見た目にも楽しく、SNSでバズることもよくあります。
カフェオレが誕生した意外な理由
コーヒーにミルクを合わせるようになったのは、17世紀のこと。フランスの著名な医師、シュール・モナンが薬として用いたのが最初だといわれています。
当時のフランスでは、「コーヒーは体に悪い」という迷信が広まっていました。もともとイスラム世界の飲み物であったことから「異教徒の飲み物」というイメージもありましたし、コーヒーが一気に広まっていくのを快く思わなかったワイン商たちが、医師たちに依頼してコーヒーの健康への悪影響を主張したともいわれています。明確な根拠はないのですが、体に悪いと信じた人たちは大勢いました。
そこでモナンは、「フランスの美味しい清純なミルクと合わせればコーヒーの毒性は消え、健康によい」といってカフェオレを推奨したのです。ミルクと砂糖を入れたコーヒーを飲むと、実際に元気になった感じがしたことでしょう。飲みやすさもあって、一般にもカフェオレが広まっていきました。













