高校の部活のOB会で再会し「あなたに振られたって大丈夫」
そして今年8月、悟さんの出身高校の関係者つぶしを行なっていた捜査本部が遂に安福容疑者にたどり着く。
「逮捕を覚悟した安福容疑者はDNA検体の提出を拒み切れなくなり、鑑定結果が出る前の10月30日に出頭し、翌31日夜に逮捕されました」(地元記者)
31日の昼すぎ、刑事から同容疑者を逮捕すると教えられた悟さんは「彼女が犯人だと聞いて『なんで?』と思いました。大人しい子だったので」とメディアに答えている。
高校時代に悟さんと同じ軟式テニス部に所属していた安福容疑者は、バレンタインデーにチョコレートを悟さんに渡していた過去がある。
「別々の大学に進学した後も安福容疑者が訪ねてきて、『付き合ってほしい』と言って喫茶店で泣かれた、と悟さんは話しています。“なぜそれを警察に言わなかったんだ”という心ない声がネットなどで出ていますが、悟さん自身忘れていて、容疑者の逮捕後に妹に言われて思い出したそうです」(地元記者)
悟さんが記憶になかったのも無理がない事情があったようだ。
「悟さんが交際を断って、約20年後、事件5カ月前の1999年6月に高校の部活のOB会で2人は再会し、その時安福容疑者は『結婚して仕事も頑張っている』『あなたに振られたって大丈夫』みたいなことを言ったそうです。
そんな人が家族を殺しに来ると想像するのは難しいでしょうし、悟さんとしては部活関係の名簿も全部提供して容疑者が捕まらないので、同級生はみな“シロ”だと思っていたと話しています」(社会部記者)
ただ安福容疑者はこのOB会が開かれた当時は事務の仕事に就いていたが、その10年ほど前には幼い長女を病気で亡くしていたことも捜査でわかったと報じられている。
「OB会では悟さんが、土曜日も出勤していると口にした記憶があるといいます。これを聞いた安福容疑者は土曜日を選んで面識もない奈美子さんを殺害するためアパートへ行ったとみています」(社会部記者)
当初、安福容疑者は取り調べで容疑を認め、学生時代に悟さんに好意を持っていたことや「申し訳ない」との謝罪を口にしていたが、その後、黙秘に転じ供述を拒否、動機は話していない。
「航平君をよく連れて歩いていた奈美子さんは優しくて気さくで、ご主人(悟さん)に赤い車を買ってもらったと喜んでいました」
同じアパートの住民は26年前の母子のそんな姿を覚えていたという。謝罪の気持ちがあるのなら、安福容疑者はどんな思いで、幼かった航平さんの前で奈美子さんに手をかけたのか説明すべきだろう。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













