「外資を辞めてまでキャバ嬢?」

外資系コンサルからキャバ嬢への転身にはよほどの思い切りが必要だったのではないか。だがあゆみさんの答えは極めて合理的だ。 

「確かに入社した外資系コンサルでは、トップのトップは年収1億円までいきますが、そこまで登り詰められるほどの適性が自分にあるとは思わなかったですし、登り詰められたとして40代か、さらに遅くなる現実をみてきました。

さらに学生時代にラウンジで働いていたとき、高額なお会計を払えるお客様のほとんどは会社員ではなく経営者であること、またどれくらいの収入があれば東京で経済的に自由になれるのか、肌感覚で理解していました。

FIREした状態で結婚や子供を産みたいという願望もあったので、年齢を逆算的に考えて、2年早々で外資コンサルを辞めてジャングル東京に転身したのは、そこまで的外れな選択ではないと思っています」 

とはいえ、周囲の反応はどうだったのか。 

「友人のなかには『外資を辞めてまでキャバ嬢?』と心配してとめてくれようとした人もいました。ただ、両親はやると決めたら貫き通す私の性格を知っているし、くだらない枕営業などもやらない性格だとわかっているので、積極的に応援してくれるわけではないものの、理解を示してくれています」 

一つひとつの質問に対して冷静に分析してくれた
一つひとつの質問に対して冷静に分析してくれた

新たな戦場でさらにお金を蓄えたあとの夢を聞いた。 

「私は夜職に愛着があり、コンサルティングというバックグラウンドもあるため、それらを掛け合わせて、現在は昼職でくすぶっている高学歴人材を、夜職で活躍できるような仕組みを作れればいいなと思っています。

今は夜職も非常にクリーンな職場が増えてきていますし、旧態依然ではありません。そうした新しいサービスを展開できればというのが現在の展望です」

頭脳明晰、容姿端麗など、装飾する言葉の尽きないあゆみさんの最大の武器は、その観察眼だろう。どのような場に身をおいても、冷静に自己や他者に向き合って立ち回る。本当の自由を手に入れるためにお金を求める。気鋭のキャバ嬢が発する本音は、理路整然としていて清々しささえ感じた。

取材・文/黒島暁生 写真/本人提供