コンサル→キャバ嬢で資産は同世代の20倍に

そして実際、あゆみさんは成人してから、ラウンジに勤務するようになる。大学時代は週に1回、あるいは学業が忙しいときには月に1回程度と、当時はいわゆる「かじった程度」。

だがこの経験によって、あゆみさんは新卒で就職したのちにも、人生には夜職という選択肢があることを知ることができたと話す。

あゆみさんが新卒で入社し、2年ほど勤務した外資系戦略コンサルティング会社の初任給は、現在の日本の平均年収よりもはるかに高い。だが、あゆみさんがジャングル東京で稼ぐ金額はその初任給の5倍以上にもなる。

そんな収入の大部分を突っ込むというのが、インデックス投資だ。これで築いた資産は、同年代の中央値の20倍以上だという。

なぜ彼女はここまで堅実にお金を貯めるのか。 

「私は文学部出身ということもあり、哲学に傾倒した時期があるんです。『制限だらけで自由に生きられない人生は本当に幸せなのか? 生きていると言えるのか?』と考えているうちに、会社員として朝から晩まで拘束された人生を何十年も歩むより、早めにお金を貯めて起業し、FIREしたいと思うようになりました。

受験勉強ごときでギブアップしかけた自分が、会社員を何十年も続けられるとも思わないですし」 

過去の挫折経験がお金への意識を変えた
過去の挫折経験がお金への意識を変えた

自ら率先して金を生み出そうとするその原動力には、大学時代に経験したアメリカ留学も深く関係するという。 

「よく『女なら適当にOLをやったのち、玉の輿に乗れば良かったのに』と言われます。しかし、私は旦那さんからいただくお金だけでやりくりをする専業主婦には向いていないと思うんです。

というのも、アメリカ留学中に親からの仕送りで暮らしていたとき、とてもストレスを感じたからです。留学ビザのため就労はできないのに、円安と物価高のダブルパンチ。普通のランチを食べるだけでも3000円、ちょっと美味しいものを食べるなら5000円。ディナーで美味しいものが食べたければ2万円の世界線のなか、仕送りだけで何とかやりくりしないといけない。

自分の意思でお金を増やすことができない状況で、初めてひもじい思いを経験し、『人のお金に依存して生きるストレス』を知りました。だから自分でお金を生み出せないと意味がないんです」

華やかな外見とは裏腹に、あゆみさんが派手にお金を使うことは滅多にない。

「昔から、なぜか貯金するのが好きなんですよね。さかのぼれば、お小遣いとかお年玉も、散財した記憶はありません。

キャバクラで働く際に100万円ほどするネックレスを買って自分を鼓舞しましたが、それも売ればどのくらいになるか、その後の出口を計算したうえでの判断なので……。散財ではなく投資かもしれません」