ファンの子どもにヘッドロックされて…

――LUNA SEAやダウンタウンから影響を受けてきたとのことですが、今では、もう中学生さんご自身が、人に夢や希望を与える立場になられていますよね。その点についてはどう感じられますか?

もう中学生 いや、とんでもないです。むしろ、今もいっぱい元気をもらう側です。たとえば、気持ちがちょっと壊れてしまったり、停滞してしまうこともあって。20日、30日、2ヶ月、3ヶ月ぐらい、ずっとどよんとしてしまうこともあります。

でもそんなときにネタをやらせてもらって、帰りに「今日見に行ったよ、ありがとうね」って声をかけてもらったり、事務所から届いたお手紙を読んだりして、心が回復していくんです。“お笑いをやること”が、自分が元気で健康でいる理由のひとつにもなっていると思います。

――ファンの言葉の中で、特にうれしかったものはどんな言葉でしょう?

もう中学生 「続けてくれてありがとう」「存在してくれてありがとう」とかですね。何度か本気でやめようと思ったことがあるんです。「自分には面白さがない」「みんなについていけない」「舞台に立つ資格がない」って。

でも“いてくれてよかった”って言葉をもらうと、ああ、まだ必要としてくれる人がいるんだなって思えて、また立ち止まれるんです。

ステージ上の存在にあこがれていた少年が、同じステージの上に
ステージ上の存在にあこがれていた少年が、同じステージの上に

――ファンとの交流の中で、印象的に残っていることはありますか?

もう中学生 たくさんあります。先日も、車いすに乗られたお子さんが、写真を撮るときに僕の首をぎゅっとヘッドロックするようにつかんでくれたことがあったんですけど、その瞬間は涙が出ちゃうくらい嬉しかった。

お言葉というより、そのアクションがうれしかったんです。その“ぎゅっ”の中に、全部が詰まってる感じでした。「ちゃんとお笑いでお返ししよう」って、心から思いました。

――ファンの言葉や行動は、応援している相手も動かすってことですね。真矢さんが元気になるように、私も祈りたいと思います。

吉本興業東京本部でポーズを決めるもう中学生
吉本興業東京本部でポーズを決めるもう中学生
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取材・文/ライター神山 撮影/井上たろう