進次郎防衛相ができることは限定的か

さらに、現状では自衛隊が対応できるクマ対策が限定的であることも、進次郎防衛相の頭を悩ませる。

今後、自衛隊はクマを捕獲するため、箱わなの運搬・設置・見回り、駆除したクマの解体処理などの後方支援を行なう見込みだ。だが自衛隊法の規定では、クマの輸送はできるものの駆除に関する規定はないため、自衛隊が銃を撃つなどしてクマを駆除することは想定されていない。

写真はイメージです(PhotoAC)
写真はイメージです(PhotoAC)

「今後、他県からもクマ対策の後方支援を求められる可能性がありますが、進次郎防衛相にできることには限界がありそうです。備蓄米放出でコメ価格を下げられたのとは異なり、すぐに目立った成果が出るかは分かりません」(全国紙政治部記者)

自衛隊ができるクマ対策の限界に「今後、法体系や対応のあり方をどうするかということは、防衛省だけではなく政府全体で考えていく必要性も出てきている」とも述べた進次郎防衛相。各地で人を襲うクマと、息の長い戦いになりそうだ。

「コメ担当大臣」とは異なる難しさがあるなか、クマから人々を「防衛」できるか、進次郎防衛相の正念場が続きそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班