「新婚旅行中、妻に内緒でモデルルームを予約した」

――その後、豊洲のタワマン「SKYZ TOWER&GARDEN」に住み替えられます。これは東京オリンピックの開催決定が大きかったとか。

まさにその通りです。高輪のマンションに住んでいるとき、新婚旅行でモルディブにいたのですが、現地のホテルで開催地が「TOKYO」とコールされるのを聞いて「おおっ」と。すぐに湾岸エリアの価値が上がるとピンときて、日本に帰った翌日にモデルルームへ行きました。

――奥様とご一緒に?

いえ、1人で。妻には内緒でした(笑)。モデルルームで買う気満々になって、家に帰ってから「発表があります。マンションを買います」と事後報告したんです。そしたら「言い方があるでしょ」と怒られました。あとで義理の母からも「すごく動揺してたわよ」と聞かされて、これは「ガチで怒っているやつだな」と反省しました……。

――そもそも奥様としては引っ越し自体にも抵抗感があったのでは?

はい……。今は豊洲は超人気エリアですが、当時はそこまでではありませんでしたし、スーパーは徒歩で15分かかるところにあったので、料理研究家である妻には買い物で不便な思いをさせてしまいました。本当に申し訳なかったと思っています。

――その後もたくさんのマンションを売買して引っ越していますが、奥様は嫌がっていないのでしょうか?

4部屋目くらいから、妻もマンション選びを楽しんでくれるようになっていて、「このマンションどう?」なんて教えてくれたりするようになりました(笑)。あと、強調しておきたいのは、僕が押し切ったSKYZ以外は、最終的に妻が「ここがいい」と言った物件を買っているんですよ!

「妻の意見を大切にしています」と強調する西岡さん
「妻の意見を大切にしています」と強調する西岡さん

――やはり家族の同意は重要ですよね(笑)。ただ、豊洲のそのマンションは、ある不動産評論家から「買うべきではない」と厳しい批判を受けていたそうですね。

ええ。私が住んでいるまさにそのマンションが、「住宅バブル崩壊の象徴になる」「10年後には資産価値が半分になる」と、事実上名指しで何度も書かれ続けました。自分の住んでいる物件をここまで書かれる経験はなかなかないので、やはり不安になりました。実際には買った時よりも2000万円も高く売れたので、正直ほっとしました。

――専門家がそこまで大きく予想を外すのも驚きです。

結局、その評論家の方もビジネスでやっているのだと思います。不安を煽るような過激な論調のほうが、読者や視聴者にはウケがいいですから。ただ、実際に住んでいる人間としては、自分の家をひどく言われるのは本当に嫌なことだと実感しました。この経験があったからこそ、私はマンションのことを発信するときには、人の住まいを貶めるようなことはしたくないと強く思っています。