「市長は『成人式までにはなんとかしたい』と答えたんです」

市議会では早期辞職を求める空気が強まっているが、小川市長が2日の説明会で、少なくとも早期に辞職する意思はないことをうかがわせる発言をしていたこともわかった。出席した市議が話す。

「会では、“この問題をいつまでに収束させるつもりなのか日程を決めてほしい”との要求が出ました。これに『少し考えさせてほしい』と答えた市長に、『最優先事項じゃないか』と追及の声が上がったんです。そしてある議員が『成人式までかかるのか』と詰め寄りました」(市議)

なぜ成人式なのか。

「前橋市長には戦没者追悼式と前橋まつり、成人式という絶対に休んではいけない三大行事があるんです。市長はことし9月20日に挙行された戦没者追悼式を欠席しました。NEWSポストセブンの取材を受けた直後だったので、いつ記事が出るか分からないと考えたのです。10月12、13両日の前橋まつりも出席しないことを決めています。

残されたのは成人式だけなのですが、そこで市長は『成人式までにはなんとかしたい』と答えたんです。その発言で、(少なくとも早期に)やめる気はないのではないかと多くの議員が受け止めました」(市議)

9月26日、前橋市議会本会議に出席した小川晶市長(撮影/集英社オンライン)
9月26日、前橋市議会本会議に出席した小川晶市長(撮影/集英社オンライン)

小川市長の言動は市長としての資質とモラルが問われるが、“被害”を受けたとして責任を追及できるのはX氏の妻だけという状況だ。強制的な退場につなげられる、市議会による不信任議決も「刑事責任(に問われること)がないとなかなか難しい」と富田議長自身が認めている。

県内の立憲民主党関係者は「市長は自分で辞めない限り辞めなくていい状況で、第三者委員会で違法行為が認定されたり、刑事告発されたりしている他の地域のトンデモ首長とは状況がちがう。小川さん自身、弁護士なのでそのあたりのことはよくわかっているはずです」と指摘する。

流出した動画より(地元関係者提供)
流出した動画より(地元関係者提供)
すべての画像を見る

さらにこの関係者は、群馬県政界での小川市長の“重み”を解説する。

「群馬県では参議院副議長まで務めた角田義一さんが旧社会党時代から大きな存在感を持ち、立憲民主党でも県の党組織の“象徴”となってきました。小川さんの後ろ盾でもあった角田さんは昨年2月、小川市長の初当選直後に亡くなりました。

その後は立民の県組織にとっては県庁所在地のトップである小川さんは最後に残された求心点なんです」(同関係者)

市議会は3日、小川市長に対し、自らの進退を速やかに決断して明らかにすることを求める「申入書」を提出した。世間の目は、市長がいつやめるのかの一点に向いているが、小川市長の決断は果たして……。

※「集英社オンライン」では、今回の記事や地方の首長にまつわるトラブルについての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班