部下職員X氏「自分が全部悪い」
2日の説明会は、市長の要求でメディアを排除して行なわれた。そこで終了後、富田公隆市議会議長が2時間続いた質疑を自ら書きとった数十枚のメモを手に、メディアに内容を説明した。
それによると、今回の騒動における市長とX氏の責任割合をどう考えるかとの市議の質問に対しては、小川市長が「10-0ですべて私が悪い」と答えたという。
いっぽうでX氏も「自分が全部悪い」と小川市長をかばっていることが初めて分かった。参加した市議が証言する。
「説明会にはX氏とその奥さんの代理人を務めているという弁護士も出席しました。群馬県弁護士会の幹部も経験した凄腕で知られるその弁護士は『依頼を受けた経緯をお伝えします』と切り出し、『自分は元々小川市長と親しく、市長から話が来て依頼を受けたが、形式上はX氏からの依頼として受任した』という趣旨の説明をしました」(市議)
小川氏とX氏の関係が問題視されるなかで、小川氏から話を受けた弁護士がX氏の妻の代理人になるのは「利益相反になるのではないのか」との質問も市議の中から出たという。
「それは違うと否定した弁護士が、X氏のコメントとするものを読み上げたんです。それは『ホテルは私が誘いました。全部悪かった。市長はすぐ泣いちゃうからホテルがいいと思った』という内容でした」(同市議)
問題発覚後、X氏のコメントが表に出たのは初めてとみられる。
この主張は、問題発覚当日の9月24日に市長が記者会見で、ホテルへ行こうと言い始めたのがどちらかと聞かれたのに対して「職員(X氏)です」と答え、「(自分は)感情がでて泣いてしまったりということができなかったので、そういった心の中のもやもやしていることを職場内で聞いて頂いた」と説明した内容に沿うものだ。
そのX氏はNEWSポストセブンが問題を報じる2日前に自ら降格を願い出ていたと、市の幹部は2日の説明会で説明した。
これについて別の市議は「X氏は“処分された”との見方が一部で出ていましたがちょっと違いますね。X氏は取材や報道にかなりまいっているらしく、市はX氏を守るため表に出さないポジションに移したと理解しています。辞められるのを防ぎたいという考えもあるかもしれません」と話す。
もっとも、市長が対外的な行事参加をすべてキャンセルするという混乱に追い込まれた前橋市にとって、“どちらがホテルに誘ったのか”などはもはや些事にすぎず、最大の関心事は言うまでもなく小川市長の進退だ。