番組制作予算の4割を占めるエンタメ領域
エンタメやスポーツ、音楽部門を切り出して民営化するのが部分民営化だ。報道などの公共性が求められる部門は受信料を徴収する現行の形で残せばいい。
NHKの2024年度の番組制作費は3079億円だった。このうち、スポーツ(528億円)、ドラマ(345億円)、エンターテインメント・音楽(199億円)、アニメ・映画(58億円)で合計1130億円だ。全体の4割程度を占めている。
スピンアウトして民営化すれば、受信料のさらなる引き下げも可能なのではないか。
NHKを国有化して税金で運営すれば良いとの声も聞こえてくるが、権力に切り込めなくなる懸念があり、メディアの弱体化あるいは国家の御用聞きになりかねない。また、受信料を支払った人だけが視聴するスクランブル放送化は、視聴率の高い番組に内容が偏ってしまい、伝統芸能などの番組が消失する可能性がある。
部分民営化して公共放送の範囲を狭め、受信料を安くするというのが最も合理的ではないだろうか。
取材・文/不破聡