グループから個人の意思を尊重する時代に
ジャニーズ事務所から生まれ変わったSTARTO ENTERTAINMENTは、新体制の発足に際して、「タレント自らがその活動の方向性に応じて自分自身で活躍のスタイルや場を求めていくことになり、当社はプロデュース機能やマネジメント機能を各タレントに提供し、タレント活動をサポートしていきます」と発表している。
事務所としてグループを売り込むことよりも、個人の意思や自由度が尊重されるようになったのだ。
一方で、前述した博報堂「リーチ力・支出喚起力ランキング」における支出喚起力ランキングTOP20で、2019年と2020年の1位を独占していたグループが嵐だ。2019年が380億円、2020年が624億円である。支出喚起力はファンの実際の購買を目的とする際に、どれくらいの売上規模が見込めるかを推計するものだ。
2025年はSnow Manもランクインしているが、1位の櫻坂46、2位のGLAYに次ぐ3位で、金額も315億円と嵐のような力強さに欠けている。今年1月にリリースしたベスト盤「THE BEST 2020-2025」は累計セールスで150万枚を突破しているにもかかわらずだ。
人気タレントが「個人」として活動の場を広げ、“推し活”消費に期待する企業がアンバサダーとして起用するというビジネスは、今の消費動向にフィットしている。Zoffの好調ぶりはそれを示す好例といえるのではないだろうか。
取材・文/不破聡 サムネイル写真/集英社オンライン編集部