「非常に私としては遺憾でございます」
だがこの言い分はおかしいとの指摘が伊東市政を日常的に取材している地元記者から上がった。
「教育長の人事案が決まっている状況にはまったくないと、市の幹部は言っている」
「市長は昨日は昼の2時すぎにはもう帰った。庁舎にあまりいないというケースが多い。予算(案の提出)が滞っている理由は市長がきちっと公務をしていないからだという見方もある」
人事案や予算案というものはそもそも存在せず、市長はまともに公務をしていないのではないかと記者は問いたかったのだろう。市職員からの取材成果として、能力や意欲、存在理由にまで疑問を投げかけるような質問がされると、田久保市長は表情を目まぐるしく変えながら、猛反論を開始。
「私のせいで何か非常に滞って予算が進んでいないということはないと考えています」
「そのような言われをすることには非常に私としては遺憾でございます」
「私としては事実とは異なることだと思っておりますので、そのような報道については差し控えをしていただきたい」
たびたび「訂正をさせてもらいたい」と前置きをしながら「人事案は決定ではなくて調整を進めているということです」などと述べた。
この“訂正”という言葉だが、田久保市長は自分の言葉についてではなく、“言ってもいないことをメディアが曲解している”との認識のもとに、記者の発言を正すという意味で使っている。
しかし、田久保市長は冒頭で「非常に大切な人事案が(議会の)最終日に予定をされておりました」と明言し、決定した人事案が存在するかのように説明している。事実と違うことを述べ、違うと指摘を受けると、記者の受け取めに問題があると言い返す形だ。