高級食材を好んでいたか
大平容疑者は今年の3月まで江戸川区内の小学校に勤務していた。その小学校では「優しい先生」として認知されていたという。
小学校の校長は電話取材に対し、「今は警察にお任せしていることですから、お話しできることはないです」としながらも、以下のように続けた。
「我々は今、区の教育委員会と今後の対応について話し合っています。あくまで我々の学校での勤務は終わった人間でありますし、事件も学校外で起きたものにはなりますが、児童とかかわりがあった人物ということは確かです。
少なからずショックを受けている児童もいるはずですから、まずは児童のケアを最優先にしたいと思っています。具体的な内容についてはまだ協議中なのですが、決まりしだい保護者の皆様にアナウンスをするつもりです」
この小学校の卒業生と保護者は、「大平先生がどこかのクラスの担任をしていたという記憶はないです。5、6年生の時に家庭科を教えてもらっていましたが、怒ったりとかもなくて優しい先生でしたよ」と証言する。
別の児童の保護者も驚きを隠せないと言う。
「学級担任をされていた先生ではなかったのでそれほど接点はなかったです。小学校でも、家庭科の授業を担当されていたと言っていました。
子どもの話では、児童に対して怒ることも全然なかった先生とのことですから、『嫌い』とか『怖い』みたいな悪い評判を聞いたことはないです」
大平容疑者は約2週間ほど前まで、江東区内の家賃10万円のマンションに住んでいた。マンションの関係者が話す。
「大平さんは1人で3階の部屋に住んでいた。いつからかは知らないけど、2週間前の土日で引っ越しをしている。夜逃げではなく、昼間に業者を呼んで引っ越しをしていた。
ポストを見てみなよ。空室のため、投函(とうかん)禁止の貼り紙が貼ってあるでしょ。いなくなってから荷物が二つ届いたんだけど、どうすればいいんかね」
関係者によると、届いた荷物は大平容疑者の名前ではなく、親族と思われる名義宛てだった。さらに、高級食材の一つである「燕の巣」と思われる“食材”も配達されていたという。
事件を受け、小池百合子東京都知事は29日午後に行われた定例記者会見内で、「犯罪でありますので、あってはならないことであります。加えて教育者であることは誠に遺憾であります」とコメントを発表した。
慕っていた先生が詐欺師だった……子どもたちの心の状態が心配される。
※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連した情報、ご意見を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
X(旧Twitter)
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班