どんな投資家が勝ち組であり続けられるのか

マイナス面ばかりを語ってしまったが、これらは同時に「明日の本物候補」でもあるということは念頭に置いておく必要がある。無論、本物であれば株価はそれこそ何倍にも膨らむかもしれない。

しかし、熱狂に踊らされるのは危険である。万が一、現段階のまま期待が剥がれたとき、株価は急落することになる可能性を秘めている。

では、どんな投資家が勝ち組であり続けられるのか。答えは単純だ。熱狂に飛びつくのではなく、暴落の中で冷静に価値を拾える投資家である。

期待先行のバブル的様相を呈している「AI関連銘柄」の現在の株価
期待先行のバブル的様相を呈している「AI関連銘柄」の現在の株価
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バブルが崩壊した後に残るのは、キャッシュを潤沢に持ち、地味だが堅実な収益を上げ続けている低PBR企業だ。

こうした企業はアクティビストに狙われやすく、改革を通じて眠れる価値が解き放たれる。指数や政治家の言葉に惑わされず、企業の本質を見抜く力こそが「常に勝ち組にいる投資家」の条件なのだ。

最後に、そうしたときにアクティビストが注目するであろう銘柄を参考までに挙げさせていただくこととする。

海外アクティビストが注目している銘柄10選

1. 平河ヒューテック(5821) – 累進配当余力大。
2. 村上開明堂(7292) – 自動車用ミラー大手。NAVファンドが保有。
3. 大平洋金属(5541) – 改革余地大、資産バリュー株の典型。
4. 日本パーカライジング(4095) – キャッシュ厚い。還元余力豊富。
5. ユタカフーズ(2806) – 東洋水産子会社。親子上場の歪み典型。
6. アリアケジャパン(2815) – 無借金経営。内需食品で安定収益。
7. オカムラ(7994) – オフィスなど内需インフラ的事業。
8. クミアイ化学工業(4996) – 還元圧力余地あり。
9. トモニホールディングス(8600) – 
10. 東京産業(8070) – ネットキャッシュ潤沢。還元・改革余地大。

文/木戸次郎