トレーディングカードの市場規模は3000億円超 

150万セットという数は、子供の人口比だけでなく、ポケモンカードの愛好家の数に対してもその量が少なかった印象を受ける。

ポケモンカードの競技人口は公表されていないため、表に出ているデータから独自の試算となるが、日本玩具協会によれば、2024年度のトレーディングカードの市場規模は3024億円だった。

NFTや暗号資産などの情報を提供するCoinDeskは、市場のおよそ50%はポケモンカードが占めているとの調査結果を出している(「NFTトレーディングカード、3000億円市場に食い込むか──真贋証明付き「CNPトレカ」12月発売」)。すなわち、ポケモンカードの市場規模は1512億円前後だということだ。

ハピネットが行なったアンケート調査によると、トレーディングカードを日頃から楽しんでいる人が、ひと月当たりに使う金額は1000円から5000円未満が最多だ(「トレーディングカードゲームの大人需要実態調査」)。

※ 出典:2024年度の日本の玩具市場規模は前年度比107.9%の1兆992億円で過去最高を更新(一般社団法人 日本玩具協会. 2025-06-25)
※ 出典:2024年度の日本の玩具市場規模は前年度比107.9%の1兆992億円で過去最高を更新(一般社団法人 日本玩具協会. 2025-06-25)

 ポケモンカードの拡張パックの価格は180円で、月に10パック購入すると1800円。仮に1人が平均で月1800円程度を使っていたとすると年間の使用額は2万1600円で、ポケモンカードの市場規模から逆算すると愛好家の数は700万人程度となる。

概算ではあるが、ハッピーセットで用意した150万セットであれば、プレイヤーの5人に1人にしか行き渡らない計算だ。そこに子供が加われば数が少ないのは明らかである。

さらに、この試算値は日本のプレイヤーだけである。ポケモンカードの製造枚数は全世界で累計750億枚以上、90以上の国と地域に流通する。アプリ版である「Pokémon Trading Card Game Pocket」はリリースから4カ月ほどで1億ダウンロードを超えた。ポケモンカードの人気は日本だけに留まらない。

そして、海外勢の買い圧力が続く限り、カードが値崩れすることはなさそうだ。これが転売の温床の一つになっている。