「卒業式に出ておらず、その後の飲み会にも出た記憶がありません」 

――田久保市長自身が卒業証書を偽造したわけではないが、刑事告発されているので慎重に対応したいということでしょうか? 卒業証書を警察や検察に提出する予定はありますか?

「今はとにかく自分から情報を出すこと自体がリスクだという風に思っている部分もあります。

市民のみなさんに『もっとちゃんと説明しなきゃ分からないじゃないか』と言われても、確定したものだけで説明しようと思っていますので、今の時点では出せる情報と出せない情報が残念ながらあります。

まだ具体的に警察の方から何か提示(要請)や問い合わせがあったわけではありません。ただ刑事告発をされている方がいますから、それに向けてしっかり対応していかなくてはいけないなという風に思っています」

取材に応じる田久保市長(撮影/集英社オンライン)
取材に応じる田久保市長(撮影/集英社オンライン)

――7月18日に議長あてに田久保市長の同級生を名乗る方から告発文が届いていましたね。そこには卒業できない田久保さんをかわいそうに思い、同級生が余興で卒業証書を作り、卒業式の夜に居酒屋で渡したと書いてありました。

「私の手元に原文は届いてないのですが、同級生が私をかわいそうに思い卒業式の夜に飲み会で卒業式をやって渡したというのを聞いた瞬間に、どう考えても事実と違うと思いました。まず私は卒業式に出ておらず、その後の飲み会にも出た記憶がありません。

一部報道で卒業式の後の飲み会で私と一緒だったという風に証言してくれた友達がいたのですが、後に『本当に私と会ってる? 大丈夫?』と確認したらあまり自信がないという話になりました。

不本意な形ですが一応、今これだけ有名になりましたので、散り散りになっていた同級生とほぼほぼ連絡がつくようになりまして、LINEグループで連絡をとっています。

そこで『卒業式のあとの飲み会で私を見た覚えある人いる?』と聞くと、やはり私を見た記憶がある友達はいませんでした」

――飲み会に行ってないし、同級生が作ったという卒業証書も受け取っていない?

「当然受け取っていません。30年以上前でまだパソコンやプリンタも今みたいになかったので偽造といってもどうやって偽造するのかも分からないですし。

みんなも『そんな技術持っている人は当時いないよね』と言っていましたし、卒業証書を作ったという人もいませんでした。

そうやって同級生と話していると、同級生の中にも卒業できていない人がいるんだって逆に知りました。

『自分は7年通って退学になっている』『俺も除籍かもしれないから見に行ってみる』とそんな風に言っている同級生もいました。告発文を出した方は匿名の知人ということですから一体誰だかもわかりません。

この告発文もですが百条委員会で匿名の知人が私から聞いた話として証言をされていましたが、それらを証拠として採用するとなると、事実と違うことに関してはちゃんと修正しないとと思い8月13日は百条委員会に出席しました」

学歴詐称疑惑について、田久保市長は終始「卒業はしているという認識だった」と繰り返した。

後編ではさらに田久保市長の進退など今後についても尋ねた。

伊東市役所(撮影/集英社オンライン)
伊東市役所(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班