対価に見合ったお金をくれる風俗がありがたかった 

途方に暮れていた当時17歳のリアさんが最初に働いたのは大宮のデリバリーヘルスだった。

「体験入店でしたが、朝の6時から夕方17時まで働いて12万円もらえました。札束を見た瞬間『よかった…これで今日のご飯が食べられる』って素直にそう思いました」

リアさんは風俗の仕事を「キレイな世界」だと感じたという。

「仕事内容うんぬんより言われた仕事をキチンとしたら、その対価に見合ったお金をその日に必ずくれる。風俗の仕事は当時の私にとってセーフティーネットみたいなもの。この世界に生かしてもらったと思ってます。今まで私が出会ったどの大人よりも、風俗のお客さんと従業員の方がまともでキレイだと思いました」

出勤すれば必ず給料がもらえる。そんな当たり前のことにリアさんは心が落ち着いたという。

そうしてリアさんは1店舗だけでなく、さまざまな地域の風俗店で働いた。最高月収は1000万円を超えたこともある。しかし、常に芸能界を諦めてしまった後悔と「今後も風俗で稼ぎ続けられるのか」という不安がつきまとっていたそうだ。

「風俗で稼ぐことはできていましたが『この先どうやって生きていこう…』という漠然とした悩みは常にありました。この悩みを当時ルームシェアしていた友人に打ち明けると『稼ぐことだけ考えるなら風俗嬢として、もっと底上げができたらいいんじゃない』とアドバイスをもらったんです」

Hカップのグラマラスボディな新波リアさん 撮影/矢島泰輔
Hカップのグラマラスボディな新波リアさん 撮影/矢島泰輔
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風俗嬢としての底上げ。それが一体何を指すのか? リアさんが試行錯誤しているタイミングで知り合いだったセクシー女優の事務所の関係者から「女優にならないか?」と誘われる。スカウトされた最初は「抵抗しかなかった」という。

「キッズモデル時代は正統派の女優になりたかったから、セクシー女優になることにはすごく抵抗がありました。今みたいにセクシー女優に理解がある時代ではなかったし。でも表に出ることへの未練も断ち切れなかった。悩んで悩んで…やることを決めました」

だが、実際のセクシー業界はリアさんが経験した芸能界とは全くの別物であった。

「大女優か! ってくらい現場でチヤホヤしてくれるので、それには驚きました。『やるなら全力で!』と覚悟を決めていましたが、『力抜いてねー』と言われてしまい、空回りしてしまった感じがありましたね(笑)。

キッズモデル時代は心ない言葉に傷ついたりもしたけど、セクシー業界の現場では丁寧に接してくれて。みんな仕事だからということはわかっていたんですけど、私にはありがたかったんです」