「居心地の良い大人な自分ではあるのかな」

20歳でアイドルを卒業し、25歳で2nd写真集を企画した。5年ごとの年齢の節目を大切にしているのには理由がある。

「その時その時にどんな自分でいられたのか、5年でどのくらい変化したのか。20歳、25歳と、立ち止まって振り返るタイミングなのかな、と思っています。

25歳の自分をなにか形として残したかったので、背伸びしたわけでもなく、幼く見えるように振る舞ったわけでもなく。等身大の姿を表現できていたらいいな、と思いました」

そう明かす彼女に「思い描いていた大人になれていますか?」と尋ねると、照れたようにこう応えた。

「思っていたより幼いなとすごく感じます。でも心の健康状態はいい気がしていて、好きなことに挑戦しやすかったり、好きなことを発信できたり。そういった意味では、すごく居心地のいい自分ではあるのかな」

儚げな表情を見せる長濱ねる 撮影/矢島泰輔
儚げな表情を見せる長濱ねる 撮影/矢島泰輔

公私ともに自分のペースで一歩ずつ歩みを進めている長濱ねる。インタビュー中も穏やかな表情でゆっくりと話す彼女はアイドル時代に比べて大人びた雰囲気を感じる。

俳優業では、パラリーガルや警察官、介護職員などさまざまな役柄を演じてきたが、今後挑戦してみたい役について聞いてみると、長濱なりの「年齢」への想いが詰まっていた。

「母親役をやらせていただいたときに『あぁ、そういう年齢になってきたんだ』と嬉しかったんです。30代、40代と歳を重ねていけば、これまでの役柄とは変わってくると思うので。生徒が先生に、子どもが母親に…というように。

自分が歳を重ねるのと同じように誰かに愛を与えていけるような役をやってみたいなと思います」

母の役をすることで自身の成長を感じたと話す彼女は、これからの未来予想図について打ち明ける。