「QRスタンプラリーの巻」(ジャンプ・コミックス第197巻収録)

今回は、東京の駅とQRコード(二次元コード)を使って開催されるラリーに、両さんが参戦するお話をお届けする。

対象になる場所は、上野、池袋、新宿、東京……といった、東京のマンモスターミナル駅。いずれも、数多くの人々が通勤・通学に利用していて、さらに利用者が集中する「通勤ラッシュ」と言われる時間帯と重なってしまい……というカオスな状況へと突入していく。

都市部と地方の通勤スタイルは大きく異なる。本作で描かれている都市部では交通網が発達していることもあり、多くの通勤・通学者が電車やバスに集中し、朝と夜は「通勤ラッシュ」「帰宅ラッシュ」と呼ばれる大混雑が発生することになる。

高度成長期の東京における乗車率は300%を超え、「通勤地獄」「寿司詰め」といった、日本ならではの状況が発生することになった。特に朝のラッシュ時には、車両のドアをなんとか閉めようと乗客を押し込む駅員や専門のアルバイト「押し屋」がホームにスタンバイしている……なんて光景を目にしたことがある方も多いのではないだろうか。

なお、現在に至るまで、コロナ禍において在宅ワークが推奨されたわずかな期間を除くと、現在に至るまで「ラッシュ」は解消されていない。

その中に巻き込まれた両さんが思わずこぼした、「なぜそこまでして働こうとするのか……」という呟きへの答えは? 作中で紹介される日本の交通事情もさることながら、おそらくは日本の雇用形態や仕事・時間・規律に対する意識に大きく根ざしているのだろう。

とはいえ、本作は全編を通してドタバタの連続。あまりシリアスに考えすぎず、両さんの奮戦ぶりをおおいに楽しんで欲しい。

それでは次のページから、マンモスターミナル駅をめぐる大混乱の一大レースの顛末をお楽しみください!!