「『これが予言の...』って一瞬頭をよぎったね」

「今年の7月5日に日本で大災害が起きる」という漫画の“予言”がネット上で拡散され、これをきっかけに、中国では大使館が日本への渡航や不動産購入について“慎重に”と発表するまでに至ったことも記憶に新しいが、中国からやってきた40代の男性は苦笑いで語る。

「驚いたよ。『これが予言の...』って一瞬頭をよぎったね。中国では“日本で7月5日に災害が起きる”という予言がメディアでも取り上げられていたんだ。それで7月中の旅行をキャンセルした友人もいたよ。『何かあってからじゃ遅い』って言ってた。母親はそのニュースを見ていたから、月末に旅行することをものすごく反対していたんだ。『7月だけはやめておけ』って」

津波警報後の逗子海岸(写真/地元住人提供)
津波警報後の逗子海岸(写真/地元住人提供)

彼が津波警報について知ったのは母からのモーニングコールだったという。

「昨日は夜遅くまで酒を飲んでいて、今朝はぐっすり寝ていたんだけど、母親からの電話で目が覚めたよ。母には『だから言ったでしょ』と言われて、心配かけたことを少し申し訳なく思ったね。『早く戻ってきなさい』と言われたけど、7月ももう終わりだし、せっかくの機会だからまだ楽しんでいこうと思うよ」

この予言の広がりは外国人観光客向けのホテルにも影響を与えているという。前述のゲストハウスBの担当者は怒りを込めた口調で話す。

「7月5日の予言のせいで、6月末から7月上旬にかけてアジア圏の利用者は1/3近くまで減りましたよ。今は徐々に戻り始めていますが、まだ以前と同じくらいとは言えません。今朝の警報で『7月5日の予言は本当だったんだ!』などという認識が広まることで、また利用者が減少するなんてことがあったらたまったものではありません」

ゲストハウスAでは津波警報の後、本日から滞在予定だったアジア圏の宿泊者の方からキャンセルの連絡が2件ほど入ったという。

津波警報後の逗子海岸(写真/地元住人提供)
津波警報後の逗子海岸(写真/地元住人提供)