YouTubeの好調はオンバト時代と一緒
――2013年から芸人が多く所属する太田プロに移籍。そして、2015年のM-1では決勝4位となりました。これは“ウケること”より“面白いこと”を意識した結果ですか?
いえ、それも環境が変わっただけで僕らがやってることは変わりません。2008年のM-1でノンスタイルが優勝したあたりからまた潮流が変わってきたんです。
――ノンスタイルはタイムマシーン3号の同期で、同じくオンバトでも活躍していました。
審査員の方々が少しお客さんに寄り始めたというか、世の中が黒く淀んだ笑いから、わかりやすい笑いを求め始めたんだと思います。鬱屈としたコンプレックスを笑いに変えるものよりも、ポジティブな笑いを好むようになったといいますか。
自分で言うのもなんですけど、2015年のM-1準決勝はうちがイチウケくらい会場が爆発してましたし。
――そしてネタだけでなく、近年ではバラエティでも引っ張りだこ。ブレイクを果たしました。
いやいや、僕らなんてM-1で優勝してドーンって輝かしくブレイクしたというよりも、ちっちゃいロケットをずっと打ってる感じで、なんとなく出続けてるだけです。
それで気づいたら、有吉(弘行)さんや千鳥さんとか、誰かの横にいるって程度でしょ。だから今のポジションに納得してないんです(笑)。
――そうは言いつつタイムマシーン3号のYouTubeチャンネルの登録者数は100万人超。これは超人気芸人の仲間入りなのでは。
これも時代なんですよ。あの頃のオンバトと一緒で、当時大衆ウケしたものが回り回って20年後にYouTubeで同じことが起こってるだけなんです。
――大衆を相手にするという意味では一緒だと。
だから、2000年代中盤あたりのブラマヨさん、笑い飯さん、千鳥さん、麒麟さんとか「baseよしもと」っていう劇場でゴリゴリのセンスを出してた方々が活躍してた時期が異質で、大衆にウケることが最初から正義だったんじゃないかって最近思うようになりました。
あの頃はネタが先端を行き過ぎててヤリすぎだったんじゃないかって。
――ある種、信念を持って同じことをやり続けていたら、時代が戻ってきた。
まぁ、2005年のM-1で審査員のリーダー(渡辺正行)から「デブネタ一本でいくのは……」と指摘されて、いろいろ悩んで迷走した時期もありました。だから「一貫してた」というよりは僕らも「一周して戻ってきた」って感じですね。