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40年前の売れっ子漫才師のギャラは月に5000万円

——近年お笑い芸人の台頭がめざましいと思うのですが、本多さんから見て現在は「お笑いブーム」だと感じますか?

本多(以下略) 
私は漫才作家としてこの業界に入って40年、吉本総合芸能学院(NSC)の講師になって34年目になります。最初の生徒はナインティナインがいた9期生(1990年入学)でした。それなりに長いこと業界を見てきて思うのは、お笑いはずっとブームなんです。芸人はいつの時代でも常に求められる存在としてある。

ネタの質やNSCに入学してくる若い人たちの傾向に変化はありますけど、明らかに昔と違う何かがあるかと聞かれると、少なくとも私の感覚ではそれほどないんですよね。劇場に通い続けているファンのかたとか、あくまで客観的に見ているかたはまた違った見方があるのかもしれませんが。

吉本総合芸能学院のお笑い講師・本多正識氏
吉本総合芸能学院のお笑い講師・本多正識氏
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——芸人のマーケット(市場規模)は大きくなっているような気もするのですが、それも違いますか?

かつては劇場が中心で、そのあとテレビがあって、今はYouTubeとかネット媒体もありますので、芸人が活躍する場は増えました。そういう意味では市場も大きくなっているでしょう。でも、そのぶん芸人の人数もかなり増えましたからね。個人が稼ぐ金額でいうと、30〜40年前にトップの人気漫才師がもらっていたギャラは月に5000万円とかって聞きますので、今の時代に換算したら一体いくらになるのか。

あるいは、皆さんご存知の大御所芸人さんは、かつて年間で24億円もらっていたという話も聞いたことありますから、あくまで噂ですが、とんでもない金額ですよ。たとえば、千鳥やかまいたちといった今の売れっ子芸人は、テレビのレギュラー番組15本とかやっていますけど、金額だけで言えば、昔ほどは稼いでないと思います。

——やはり1980年代の漫才ブームは凄まじかったですか?

まだプロになる前の話なんで。聞いた話になりますが。そりゃあすごかったらしいですよ。ファンの熱狂もすごかったみたいですし、忙しくて大阪-東京間をヘリコプターで移動してたみたいな伝説も聞きます。なので、私個人の感覚としては、今のお笑いがすごいことになっている、とは思えないんですよね。