芸能界から姿を消した理由
──今では恋愛禁止が暗黙の了解のようになっていますが、当時恋愛はされていましたか。
岸田 自分はアイドルでもないし、特に恋愛禁止ではなかったです。でも当時は彼女はいなかったですね。いいとも青年隊をやっているから遊ぶ時間もなかったですし、芸能界は毎日が新しい発見で、仕事のことで頭がいっぱいでした。
今も独身で、結婚願望はありますが、音楽活動をしているので、実際一番大切なのはファンの方なんです。もういい年だけど、死ぬような思いをしてみつけたやりたいことが音楽で、それをずっと近くで応援してくれたのがファンの方なので、もしモテるとしたらファンの方からモテたいですね。
── 「いいとも!」でブレイクした後は、ドラマやバラエティー番組にも多く出演されていました。ピーク時のスケジュールはどのようなものでしたか。
岸田 よく、寝る間もないほど忙しいとか聞くんですが、僕の場合はとにかく、いいともが最優先でした。
事務所が無理ないスケジュールにしてくれていたので、いいとも青年隊として3年、その後、月曜レギュラーもやらせていただいて。ドラマ、ラジオ、バラエティーにも出させていただきましたが、深夜までとかもなく、普通に夜には家に帰れていましたね。
── ある時期を境に突然、芸能界から姿を消したのはどうしてですか?
岸田 あの時は、とくにやりたいことがあって芸能界に入ったわけではなかったんですよね。スカウトされて芸能界に入り、今まで自分が選んだ道を歩まなかったことをずっと心のどこかで、『このままでいいのか?』って思っていて。
周りはお笑い、音楽、演技で勝負してる人たちばかり。でも僕には“これなら誰にも負けない”って武器がなかった。ちゃんと自分でゼロから何かを始めてみたくなったんです。
一度全てリセットしよう、と思って、いったんすべての活動を全て休止したんです。
活動休止後、彼が選んだ道はまさかの…
後編 「笑っていいとも!」で大ブレイクもその後、ホームレスに…現在は町おこしをプロデュースする元“いいとも青年隊”岸田健作の波乱万丈人生 に続く
取材・文/佐藤ちひろ