「お子様連れのお客様も気兼ねなく外食できることが当たり前になるように」
こうした取り組みの背景には、「ひとりひとりのお客様に、いちばん最高の状態のラーメンを食べてほしい」という思いがあるからだという。「抱っこチェンジ」のみならず、一風堂ではこんなサービスも行なっている。
「お子様連れに限らず、たとえば『ビールを飲んで、おつまみを食べてから、最後のシメでラーメンを食べたい』というお客様に対して、お好みのタイミングでラーメンを提供しています。『後でラーメン』を略して『アトラー』と呼んでいます」
また、担当者が「お子様連れだけがメリットを受けるという形にはしたくない」と話すその姿勢は、こんな取り組みにも表れている。
「子連れの客でも気兼ねなく外食できることが当たり前になるように」という思いを実現するためのプロジェクト、その名も「カルガモプロジェクト」だ。
その一環で、「一風堂のこの思いに賛同してくれるお客様全員に、替玉か卵を無料サービスする」というキャンペーンを実施したという。
こうした取り組みを実施することで、子連れ客だけがメリットを受けるのではなく、そういう社会を作りたいと思っている人全員が対象になり、子育てをしていない人も一緒に考える機会にしたい、と担当者は話す。
一風堂の公式noteには、「一風堂が叶えたい社会」として、このように書かれている。
「『お子様連れのお客様も気兼ねなく外食できることが当たり前になるように』。そんな願いを実現できるよう、小さなことからでも、私たちにできることの積み重ねを大切に継続していきます。一風堂と同じような考え方が飲食業界全体でも当たり前になり、みんながより過ごしやすい社会になってほしい。一風堂はこれからも、お子様のすこやかな成長と、保護者の方々の一生懸命な子育てを心から応援します」
同社の温かなまなざしが、外食産業のみならず、社会に広く浸透することを多くの人が望んでいるのではないだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班