プラトーからの脱出法

当然、打ち間違えます。

すると、間違ったところの指の動きが苦手だということなので、そこを集中的に練習すればよいということがわかります。

この方法を応用して、塾生には「弱点を明らかにする方法」としてこんな勉強法をすすめています。

問題を解くときに、1時間で10問解く問題があったら、それを40分で解いてみるのです。時間を短くして、わざと焦る状況をつくるわけです。

すると、どうなるか。必ず間違えます。

10問をゆっくり解けば満点の人が、焦ると8問しか解けません。

間違った2問が自分にとっての弱点です。焦ったときや、プレッシャーのかかる場面で間違えやすい問題だということですから。

「1時間で解く問題を40分で解いてみる」ことで成績の伸び悩みが解消? 法律資格受験指導校の名物講師が提唱する、意識的に失敗して弱点を見つける学習方法_3
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つまり、そこを補強すれば、さらに成長できるわけです。

負荷をかけることによって、できるところとできないところの差が明らかになってきます。負荷がかかると焦ってできないのは、記憶が自分の血肉として定着していない証拠です。

だから自分の記憶を上達させようと思ったら、あえて負荷をかけて焦る状況をつくってみるとよいのです。そして間違えたところに着目し、そこをくり返し練習します。

こうすることで、プラトー状態を突破していきます。

失敗はおそれるに足りません。

むしろ失敗は宝物なのです。

写真はすべてイメージです 写真/Shutterstock

大事なことだけ覚える技術
伊藤真
大事なことだけ覚える技術
2025/5/23
1,540円(税込)
176ページ
ISBN: 978-4763142290

1%の大事なことだけ覚えて、
99%は忘れちゃってOK


テストに挑むための「記憶」。
仕事をうまくいかせるための「記憶」。
日々を前向きに生きるための「記憶」。
過去を懐かしむための「記憶」。

人生には「記憶」を必要とするときが
しばしばやってきますが、
本当に覚えておくべきことは
ほんのひとにぎりの「大事なこと」だけです。

本書は、

「これだけはしっかり覚えておきたい」

ということだけを
確実に記憶できる方法を
ご紹介しています。

●記憶を定着させるのは「経験」

学生時代の授業中、
ノートをとった人はよく覚え、
それを借りた人は覚えが悪い。

勉強したのは同じノートなのに、
なぜこんな差がつくのだろう……。

そんなことを感じたことはないでしょうか?

この差を生むのは、書くという
「経験」をしているかどうかです。

お気に入りのノートを開き、
少しざらついた質感の紙に、
自分のペンで、自分独自の文字で、
ゆっくりと、書いていく。

このプロセスを通して、
それらの映像が脳に焼き付き、
記憶として定着していきます。
このように「経験」は記憶を強化します。

一方、借りたノートを見るだけの人は、
ノートを書くという「経験」をしていないため、
記憶の定着率が極端に落ちてしまいます。

この本には、
そんな「経験」をうまく活用した
10の記憶テクニックが書かれています。
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1、まず「全体像」から把握する
2、復習は1時間以内にする
3、「おさらい→新規」を繰り返す
4、マーカーではなく、色鉛筆を使う
5、スローモーションのようにゆっくり書く
6、B6カードに論点を書き出す
7、カンニングペーパーをつくる
8、耳から覚える
9、音読で「目」と「耳」のダブル効果を狙う
10、自分で自分に講義する
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この本でご紹介するのは、

・大事な勉強
・大事なアイデア
・大事な人
・大事な思い出

これらの大事なことだけを
覚えておく画期的な技術。

勉強や、仕事や、暮らしに使える
実践的な“戦略書”でもありますので
ぜひ読んでみてください。


【本書の目次】
第1章 覚えたいことだけ覚える技術
第2章 頭に焼き付ける10のテクニック
第3章 記憶力がアップする7つの習慣
第4章 いい丸暗記、悪い丸暗記
第5章 人生をラクにする「忘れる力」

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