「単一原料の国産ブランド米にしか商品名に『コシヒカリ』などは入れられない決まり」 

備蓄米の商品名をめぐって消費者からさまざまな声があがる一方、米店の店主はどのように見ているのだろうか?

60年営んでいるという米店の店主は次のように話した。

「備蓄米の名前は、そのように名付けるしかないのだと思います。単一原料の国産ブランド米にしか、商品名に『コシヒカリ』や『ひとめぼれ』などの品種名は入れられない決まりなんですよ。品薄だからとはいえ、ただでさえ年数が経ったコメを売るためには、お客さんに手に取ってもらえるように、美味しそうな名前を付けることも重要な要素なんでしょう。だからそれに対しては努力しているんだなと思うくらいです」

備蓄米が販売される都内のディスカウントストア(撮影/集英社オンライン)
備蓄米が販売される都内のディスカウントストア(撮影/集英社オンライン)

このように話したうえで、「町の米屋は国産ブランド米を仕入れているところが多い」と実態を明かした。

「備蓄米は我々のような小さな米屋には来ませんよ。同業者もあまり手を出さないほうがいいと言っています。返品もできないし、売れ残ったらただでさえ年数が経ったコメがさらに悪くなってしまうので。町の米屋は値段ギリギリで、国産ブランド米をなんとか買っていただけるくらいの量を仕入れているところが多いですよ」

また、73年続くという米店の2代目店主は、1回目の備蓄米は早々に完売したと話した。

「1回目の備蓄米は来たよ。5kgで税込3700円。20袋入ったけど1週間も経たずに売れたと思うよ。令和6年産の国産ブレンド米で評判も良かったね」

さらに、今回売り渡される備蓄米については「いらない」と一蹴した。

「今出回ってる備蓄米は正直いらないね。どれだけ綺麗な倉庫で保存しているか知らないけど、古米でさえニオイが出るもん。うちのお客さんはブランド米を買われる方ばかりだから、今度出る“古古古米”に関しては、くれるって言われてもいらないよ(笑)。備蓄米には『何年産』の表記がないのも変だと思うよ」