「知事がオレを売るなら、表に出てへんことをぶちまけたる」 

県の会見翌日の5月28日、斎藤知事は定例会見で、「今回懲戒処分ということで一定の結論を出させていただいています」と述べ、問題の幕引きを図った。

ところが会見終了直後の夕刻、読売テレビが「処分は停職6か月が相当だったが知事らの指示を受けていた可能性が高いということで処分を軽くすることになった」と県幹部が証言したと報じた。

処分の決済は斎藤知事が行なっている。斎藤知事は、自分が漏えいを指示した可能性があることを理由に処分が一段階軽くされたことを把握して処分を決裁していたことになる。

だが、ここにきて斎藤知事にも“誤算”と言える事態が持ち上がった。

6月3日、兵庫県議会本会議に向かう斎藤元彦知事(撮影/集英社オンライン)
6月3日、兵庫県議会本会議に向かう斎藤元彦知事(撮影/集英社オンライン)
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「斎藤知事が井ノ本氏の処分を一段階軽くする方向で動いたのは井ノ本氏をかばってのことでしょう。それでも井ノ本氏は、処分自体が不当で自分は無実だと抵抗を強めているのです。

5月27日に第三者委員会の報告書が公表される前から、井ノ本氏が『知事のパワハラの一番の被害者は俺や』『漏えいも知事に言われたからやったんや』と不満をぶちまけているという情報が飛んでいました。漏えい指示に信ぴょう性があることから、本当に井ノ本氏がそう言っているとの見方が強まっています。

さらに『知事がオレを売るなら、表に出てへんことをぶちまけたる』とも言っているとのうわさもあります。本人が言っているかどうか確認が出来ているわけではありませんが、斎藤知事の耳に入るように話は広がっています」(県関係者)

井ノ本氏はすでに処分の不服を申し立てた。「知事の指示」を裏付ける証拠を井ノ本氏が今後出してくるのか――。県関係者はかたずをのんで見守っている。                                  

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班