日本の教育現場では想定されていないLGBTQの存在と対策無き実態…人口統計では1クラスに2~4人は該当生徒がいる計算に
世の中の10%の人々はLGBTQだとされている。これを日本の学校教育の現場に置き換えると1クラスに2~4人はいる計算となる。だが日本の教育現場では、未だLGBTQの生徒がいるという前提で授業は行われていない。自身もゲイであり、YouTuberで教育評論家の静岡の元教師すぎやま氏がその現状を解説する。
書籍『教師の本音』より一部を抜粋・再構成し、教育現場で忘れ去られているLGBTQの人々の現状を解説する。
教師の本音 #5
今の学校では『男性差別』が実は深刻
ジェンダー教育の問題に関して、私がもうひとつ深刻な問題だと思うのは、学校教育の中の『男性差別』です。
たとえば、男子は我慢して当たり前、男なら泣くな、むしろ男子にはちょっとぐらいツラい思いをさせるべきだ……それが当たり前だと思っていて、生徒にもその価値観を押し付けてくる教員はいまだに多いです。
これは教員の中でもそう。同じ立場、同じ給料だとしても、男性教員の方が大変な仕事をして当たり前、ツラくても文句を言ってはいけない、という風潮が強いです。もちろん、女性には出産、授乳という、男性にはできない重要な仕事があります。
でもだからと言って、男性に過酷な労働を強いていいわけではありません。
しかし、今の性科学では、ジェンダーやセクシュアリティというのは『スペクトラム(虹色)』、つまりグラデーションのように境目が曖昧なものとされています。
つまり、男性だからといって、男性性を押し付けられたくない子もいる。見た目は筋骨隆々でも内面は女性的な子もいるわけです。昔のようにバリバリ働いて上を目指したい男性もいれば、プライベートを大事にして、土日は家で家事をしたい男性だっているでしょう。
私はゲイなので男性差別に対する理不尽は、特に強く感じていたと思います。男子だって「運動嫌い!」「日焼けしたくない!」「髪伸ばしたい!」って子もいるんですよ。
写真はすべてイメージです 写真/Shutterstock
教師の本音 生徒には言えない先生の裏側
静岡の元教師すぎやま
2025/3/7
1,045円(税込)
272ページ
ISBN: 978-4815631109
本音をすべて書きました
10年以上中学校教諭を勤めた私が、教師の裏側を明かします。
「先生に相談しても迷惑じゃない?」「不登校で将来が心配」といった保護者が抱える悩みから、「『成績を上げろ』と5時間監禁される」「実は熱血教師が学校をダメにしている」といった気になる現場の実態まで。
保護者、教師、そしてすべての人が子どもの未来のために何ができるか、考えるきっかけになることを願って、書きました。
SNSの総フォロワー数70万人超!
日本一バズっている元教師が包み隠さず話します!
第1章 保護者への本音
第2章 学校現場の本音
第3章 働き方の本音
第4章 生徒が気になる先生の本音
第5章 教師への本音
第6章 持続可能な学校にするための5つの提言