なぜ群馬がナンバー1に⁉

今、群馬が選ばれている理由とは何なのだろうか。

「伸び伸びと子育てしたい層や、首都圏のアクセスの良さと自然環境からテレワーク移住を検討している層、また『災害の少ない地域に住みたい』という声も多く聞かれています」(NPO法人の担当者、以下同)

と、その背景を分析する。

実際に、移住者からの声で多く聞かれたのは「都心からの交通アクセスの利便性」だ。

群馬・高崎-東京間は新幹線で50分、湘南新宿ラインや上野東京ラインなどの在来線のほか、4つの高速道路が利用可能など交通手段が充実している。

さらに「物価・家賃の安さ」も人気を押し上げた一因だ。群馬県は全国で3番目に物価が安く(総務省より)、家賃相場も全国平均が1部屋5万2千円台のところを、群馬県は4万1441円と、全国で3番目の安さを誇っており(全国賃貸管理ビジネス協会より、今年4月段階)、この物価高の時代だからこそ、注目度が高まっている。

さらに車の免許の保有率も高く、ドライブスルーの環境が整っていたり、96カ所の温泉地を有する“温泉大国”であるほか、「自然災害が少ない」ことも近年注目される理由だろう。

気象庁によると、過去100年で震度4以上の地震が起きた回数が、東京は574回なのに対し、群馬は77回と関東で最も少ないといい、首都直下型地震や南海トラフ地震、富士山噴火など近年懸念されている自然災害への影響から遠い場所にいるのも特徴の一つだ。

さらに自治体が積み上げてきた取り組みも功を奏した。

「群馬県は2020年に全35市町村がこのセンターの会員となり、移住希望者の受け入れ態勢を整えてきました。2024年11月には群馬県と栃木県が同日に東京交通会館12階でそれぞれフェアを開催しました。

コロナ禍以降、移住先として人気が高まる北関東2県の相乗効果もあり、群馬が230組363名、栃木が225組342名の参加者を集め、成果をあげてきたんです」

今回3位だった栃木県との相乗効果もあり、着々と実績を積み上げてきた群馬県。コロナ禍を機に浸透したテレワークの働き方や物価高が止まらない現代だからこそ、巻き起こった“群馬旋風”。次にその風に乗るのは、あなたかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部

草津温泉など“温泉大国”としても知られる群馬県
草津温泉など“温泉大国”としても知られる群馬県