“立ちんぼ女性”問題の解決に向けて尽力していたが…
記者も、ホス狂の娘を持つ母親と田中容疑者のLINEのやり取りを見せてもらったことがある。そこで田中容疑者はこんな風に母親を勇気づけていた。
ホス狂の娘の母親「田中さん。玄さん。少し。最近静かになってきてる、警察や。行政を動かしてください。私のように。悩んでるお母さんいると思うし。私はやっぱり。ほっとけないので」
田中容疑者「ぜひ一緒に告発しましょう。母親の声一番大事です」
記者自身も田中容疑者とは何度も電話やLINE、メールなどでやり取りをしていた。大久保公園前のガードレールに立ちんぼ女性が寄りかかることから、新宿区が今年2月に「ガードレールの撤去」を行なうと報じられた際にも田中容疑者にLINEで連絡を入れた。
すぐさま「月曜日は事務所は休みです。自分個人は稼働している」と反応した田中容疑者は、記者の取材に対し、立ちんぼ女性の現状をこう話していた。
「新宿警察署の署員が赤いジャケットを着て毎日のようにパトロールをしています。立ちんぼ女性は“赤ジャケ”が来ると私らの『駆け込み寺』に入ってきてその場をしのいでいます。立ちんぼする女性たちの大半はホストに貢ぐことが目的で、もちろん私たちだって彼女たちがいなくなることを望んでいる。でもその解決策として『立ちんぼ一斉摘発』では問題の根本解決にはならない。やはり悪質ホストを根絶やしにすることだと思っています」
記者はかつて「日本駆け込み寺」代表理事の玄秀盛氏にも取材をしており、その当時、玄氏からは「田中はもともとライターで、ボランティアとして参加する相談員だった」ということは聞いていた。
ライターが取材活動の果てに支援側や相談員側に回ることはよく聞く話だが、それにしても田中容疑者の対応はとても丁寧で真面目に感じられ、「本当に心の底からこの悪質ホスト問題の解決の糸口を探している人なのだ」と感心したものだった。