「ハイパー運動会!の巻」(ジャンプ・コミックス第136巻収録)
今回は、大原部長の孫・大介の運動会に出場することになった両さんが、思わぬ強敵たちを相手に大奮闘するお話をお届けする。
部長は両さんに金を渡して孫の所属する紅組を勝たせようとし、「上級国民」を親に持つ児童が多いため、父兄参加の競技にはトップアスリートが続々と出場する……と、いささか世知辛い運動会で、主役のはずの子どもたちが脇役に追いやられている感もある。
そんななかでパワーを炸裂させて活躍する両さんを、思わず応援したくなる一作だ。
さて、『こち亀』には本作以外にも、小学校の運動会を題材にしたお話がいくつか存在する。下記に紹介しておくと……。
息子の全行動を撮影する父親の過剰な愛情…運動会も「映え」最優先!?
息子の一挙手一投足をすべてビデオ撮影し、取れ高を気にして演技指導までしてしまう父親が登場。運動会でもバズーカ砲のような超望遠レンズを搭載した機材を持ち込んで……。
1988年に描かれた当作は、自分自身や家族をSNSでのコンテンツにし、「映え」を優先するのが当たり前となる時代の到来を予感していたのだろうか。
「究極のビデオ道!の巻」(ジャンプ・コミックス第62巻収録)
両さんがハイテク推進小学校の運動会に出場! ロボットと二人三脚を!!
ハイパー電子社長の長男、プラスが通う小学校の運動会で、両さんが父兄として出場。ロボットを相方に二人三脚に臨むが、ロボットが故障してしまいゴールを越えても……!?
「ハイパー運動会!の巻」(ジャンプ・コミックス第113巻収録)
現在では当たり前な、撮影禁止の運動会に両さん驚愕
本作同様、部長の孫・大介の運動会に駆り出された両さんは、父兄による撮影が禁じられていることに驚く。現代の運動会運営事情を反映させたエピソードだ。
「今どき運動会事情の巻」(ジャンプ・コミックス第194巻収録)
どれも爆笑ものの展開のなかに、時代への批評性を含んだ傑作だ。機会があれば一読をおすすめしたい。
それでは次のページから、トップアスリート父兄軍団に挑む両さんの激闘の記録をお楽しみください!!