反社以上に反社の方との深い付き合いがある父を…
そこで貴弘氏は同日午後に国会内で記者会見を開き、自身の記憶を報道各社に直接説明した。場所は立憲民主党が用意した。
貴弘氏は冒頭で、「勇気と真心を持って真実を語る」という言葉を石破氏が好んで使っていることを挙げ、「今こそ本当に石破さんが自分の胸に手を当てて、この言葉通りに勇気と真心を持って真実を語ってほしいと思います」と強調。
「週刊文春さんが報じた内容は事実でございます。石破さんが嘘をついてるのか、私が嘘をついてるか、2択しかございません。下根が嘘をついてるということを、今日の午前中の予算委員会でもその前の委員会でも(石破氏が)答弁をしてます。私のプライドにかけてもここは徹底的に闘いたいと思います」
と述べて徹底抗戦の構えを見せた。
2014年以降は石破氏と距離を置いてきたという貴弘氏はなぜ今、告発を始めたのか。その背景には、父・弘氏との確執があるようだ。
週刊文春と貴弘氏の説明によると、東京・池袋に拠点を置く不動産会社の会長だった弘氏は2014年9月に、社長だった息子の貴弘氏を相手に東京地裁に訴訟を起こしている。会社経営に行き詰まった貴弘氏が会社資産を担保に借金の返済をしようとしたところ、父・弘氏が「息子は株主ではない」と訴えたという内容だ。
訴訟で貴弘氏は、会社経営が苦しくなったのは、政治家らのチケット(パーティー券など)を会社で大量に売りさばくよう会長の弘氏が命じたからだと主張。「チケットを完全に売りさばくのは無理で、売れ残りを会社の資金で買い取った。その都度、数百万円単位の赤字を負担させられてきた」との説明をしている。
そこで、石破氏については年間600万円分ものパーティー券を買い取っていた、との主張が続くのだ。会見で貴弘氏は「パーティー券の購入に関しましては、確かにその(1枚2万円の券を)300枚という、1番多い時で300枚、これが2回、3回あったと思います」と発言。
こうしたことが積み重なった末、父と決別し、その旨を石破氏に電話で伝えたのだという。 その時石破氏は、父子のどちらにもつくつもりはないとの趣旨の反応を見せたという。それから3カ月ほどたち、貴弘氏は石破氏に電話で、父との関係を切るよう促したという。
「『(石破)先生が総裁や上を目指すのであれば、父との関係は切った方がいいですよ』と(言いました)。父は反社ではないですけど、反社以上に反社の方との深い付き合いがある。そういう人とこれ以上付き合ったらよくないんじゃないんですか、ってお話ししたところ、(石破氏は)ちょっと怒り気味に『会長を切ることはできません』と。じゃあ、私を切るのかという思いで私もカーっとなって汚い言葉で言い合って、一方的に電話を切られました」(貴弘氏)