DPを導入しない巨人の矜持
「①お仕事等の関係で土日祝日にしか球場に足を運べない方々や、お子様連れのファンの方々がご来場しやすいこと、②外野席から熱い声援を送ってくださる熱心なファンの方々が年に何度も来場していただけるようにすること――の2点を重視し、一般入場券の価格を設定しています。
近年の諸物価の上昇に対応しながら、チームの強化とファンの皆様の観戦環境の整備を図るため、今シーズンは、一般入場券の土日祝日、及びユニホーム配布日など特定の試合の価格を『カテゴリーⅡ』と称して若干高く設定させていただきましたが、それ以外の試合である『カテゴリーⅠ』との価格差は最大500円としました。
曜日や対戦カード等によって価格を極端に高くするなどした場合、土日祝日にしか来場できない方々や対戦チームのファンの方々の観戦機会が失われかねないためです
当球団としては来シーズン以降も、今以上に多くのファンの皆様の満足度を高めることができるよう一般入場券の適切な価格設定に努めてまいります」
DPを度外視しても、複雑化する料金体系が当たり前になったプロ野球にあって、東京ドームの巨人戦チケットは、上記のとおり2つのカテゴリーだけと実にわかりやすい。そして、外野指定席は「カテゴリⅠ」2300円、「カテゴリⅡ」2600円で固定と、DPを導入する球団のチケットと比べてかなり安い。
DPによって利益を最大化することか、それともライト層も含めた多くのファン獲得のためにチケット料金を明瞭化することか、どちらが球界にとってプラスなのか。数年後には答えが出ているかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部