このままではファン離れを招く危険性も…
限られた日程、席数で球団の利益を最大化できるとして導入されたDPだが、はたして本当にそうなのか。
福岡在住の30代のソフトバンクファンによると「チームがスタートダッシュに失敗したせいか、今年のPayPayドームは空席が多いですね……。昨年はホークス主催60試合すべてが満員御礼だったのですが、今年の最終的な観客動員数はかなり減るんじゃないでしょうか」とぼやく。
こうした状況に前出の野球ライターは、球界の将来について警鐘を鳴らす。
「チケットを安価に販売して満席を作るより、空席が多くてもDPを導入したほうが球団の利益自体は上がっているのかもしれません。しかし、これが完全に定着し、世間から『プロ野球チケット=価格の高いもの』という認識が根づけば、ファンの“現地観戦離れ”は避けられません。
各球団はチケット代やグッズ売上、球場内の飲食代など現地収益に頼っている部分があります。ただでさえ今は配信環境が充実していて、球場へ行かなくてもプロ野球を見る手段がたくさんある。
現地で観戦するファンを蔑ろにして目先の利益ばかり追っていると、しっぺ返しが来るとのではないでしょうか」
現在、7球団がDPを導入している。
注目すべきは巨人、阪神という球界屈指の人気球団が現状、まだDPを導入していない点だ。一般的には収益が上がるはずなのになぜなのか。巨人軍の広報部に問い合わせると以下のような回答が返ってきた。