父親は「自分の家に連れて帰ってやりたい」
「初動に問題があったどころではない。警察官の資質の問題です。行方不明者届が出れば、その人が傷つかない状態で少しでも早く家族のもとに帰れるよう誠心誠意努力するのが警察官でしょう。ボランティアではない。給料をもらっているプロなんですから」
怒りを込めて川崎臨港署の対応を批判する飛松氏は、4月から彩咲陽さんの父親らとともに捜査を働きかけてきた。
「昨年12月20日に彼女が行方不明になった後、家族は探偵に依頼して白井の動向を調べたり、直接白井に会ったりするなど、あらゆる手を尽くしてきました。『それでも警察が動いてくれない』と、彩咲陽さんのおばあちゃんがある記者に相談し、そこから私に話が来たんです。
彩咲陽さんのお父さんと会ってすぐに白井の家を見に行きました。状況から、彼女は拉致され、白井の家に監禁された可能性が高いと判断できました。そして、厳しい結果になっている可能性があると話したのです。
するとお父さんは『自分もそう思う。なぜなら携帯電話での連絡も取れないから。犯人は白井だと思う』と口にしました」
娘の安否について希望を失っていた彩咲陽さんの父親はそれでも、「あんなとこ(白井の家)に娘を置いておいたらかわいそうだ。自分の家に連れて帰ってやりたい」と口にし、精力的な捜査を望んできたという。
「白井はその時点で出国したとの情報がありました。『このままでは捜査はなされず、白井は一生海外から帰ってこない。強い意志で警察に捜査を促そう。そのためには批判するだけでなく、さまざまな方法を取っていこう』というのが(私とご家族の)共通の思いになったのです」