ありのままの自分でいられる
「3回目のデートの時に、彼のテンションが後半から下がり始めたんです。私はなにか気に触るようなことをしたのかなと不安でした。でも、はっきりとした理由を聞けないまま、次回のデートが誘いづらくなり、しばらく会わなくなったんですね」
それから連絡も取らないまま、2か月ほど経った年末のある日。友人との忘年会帰りで新宿駅を歩いていた時のことだ。
「溢れる人混みのなかに、『あれ? 見たことある人が…』と思ったら、彼がいたんです。お互い『あっ』って目が合って(笑) 彼は5〜6人ぐらいでいたんですけど、周りがざわついて、気を利かせてくれたのか二人きりになりました。そこで、次に会う約束をしたんです」
年末に運命的な再会を果たし、そこからまたふたりは会うようになったという。しかし、なかなか恋愛への進展はないままで、もやもやしながら過ごしていた。
「だいたい散歩デートかたまに映画を観るとかで、手を繋ぐとかも一向にありませんでした。どう思ってるのかなと思いながら、進展があったのは7回目のデートを迎えた時。その日は暑い真夏日で、高円寺の沖縄料理屋で飲んでました。そしたら彼が『一緒に住んで結婚してくれませんか』と突然プロポーズしてきました。わたしはその場でOKの返事をして、そこから、2か月後に同棲を始めることになったんです」
ふたりの関係はとんとん拍子で話は進み、翌年の5月に入籍をした。これまでにもマッチングアプリなどを使っていたが、交際まで至らなかった菜々子さんが、音声配信の魅力についてこう語る。
「恋愛目的のプラットフォームじゃなかったのが、逆に結婚に繋がったのではないかと思いました。結婚相談所やマッチングアプリは、結婚や恋愛を目的とする場なので、相手に好かれるために自分をよく見せないといけない。でも音声配信はありのままの自分で話せて、気負いしないでいられる。自然な自分でいられるのも大きいかなと思います」