「東京の有名劇場で観劇をして表彰式を開きます」
食品衛生指導員が巡回指導を行なう報酬は微々たるものでボランティアに近いが、組織は補助金の恩恵を受けるのだとこの関係者は指摘する。
「地区食協は指導員の研修旅行も定例で開いてきました。旅費の一部は地区食協が出していましたが、これが研修かという内容もありました」(同関係者)
集英社オンラインは2015年11月にある地区食協が1泊2日で開催した研修旅行の日程表を入手。静岡県内でお茶工場の研修をした後、観光地を巡り、夕食時には「コンパニオン3名、カラオケ付」と書かれていた。
「おかしいことはほかにもあります。日食協は毎年、指導員を長年務めた功労者らを全国から東京の有名劇場に集めて表彰式を行い、観劇もします。
山梨からも毎年数人が選ばれますが、山梨では定められた講習はなく、現場での検査も行われてこなかった。表彰される人は指導員としての活動をしてきたとしても、そもそもの資格が問われかねないんです。このような体制が続いていいのでしょうか」(Aさん)
問題のある運用は果たして山梨県だけなのか。なり手不足も顕在化した現行の飲食店の衛生管理制度はこの先も続けていくことができるのだろうか。改めて「食の安全」を考える時期がきているのではないか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班