ポスト石破に“岸田再登板”の声はあるが…
そんな岸田氏は最近、再登板に向けて存在感をアピールするかのように、活発な動きをみせている。
「5月3~7日にかけて総理特使としてマレーシア、インドネシアを訪問し、両国首脳との会談を予定しています。岸田さんが総理在任中に提唱した、日本の技術による脱炭素化推進のアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)に関する議連のメンバーも同行し、外国首脳ともこの件について意見をするとみられます。
石破茂総理が関税措置を巡る米国のトランプ政権との外交で苦戦する中で、外務大臣を長く務めた岸田さんとしては、“差”を見せつけたいところです」(全国紙政治部記者)
岸田氏の活動はこれだけに留まらない。昨年末に自ら立ち上げ、会長を務める資産運用立国議連の活動にも力を入れており、高齢者向けの新たな少額投資非課税制度(NISA)の制度導入を提言するなどしている。
「石破総理は金融に疎いとされ、NISA拡充などについてもほとんど問題意識を持ってないとされます。そうした点でも、金融に力を入れてきた岸田さんとは対照的といえます」(同前)
石破政権の支持率が低迷し、参院選を間近に控える中、自民党内における“次の総理”を巡る議論は水面下で徐々に進んでいる。しかし、“岸田再登板”に向けた機運が高まっているとは言い難いのが現状だ。
「むしろ、同じ旧宏池会(旧岸田派)では、林芳正官房長官(64)が、“石破後のワンポイントリリーフ”として名前が挙がっています。旧宏池会の若手議員の間でも、『林さんはマメに会合をしてくれて面倒見もいいが、岸田さんは人を寄せつけないところがある』との評判です。仮に林さんが総理候補となってしまえば、旧宏池会も“代替わり”することになり、岸田さんの再登板の芽もよりしぼんでしまうでしょう」(前出・自民党関係者)