女性研究者には容赦ないセクハラ「ケツくらい触られないと(笑)」
ここまで紹介したのは、学会や研究会、論文指導といった領域だが、中にはプライベートに干渉するというアカハラも……。
特に、女性の場合はターゲットになりやすいそうだ。前出のBさんと、数年前に関東の大学院で修士課程を修了した30代女性・Cさんは語る。
「学生時代、他の研究科の女性が、指導時間中に教授から恋人の有無や好みのタイプ、結婚しない理由などを聞かれ続けたと話してくれました。恋人関係以外でも、自宅の間取りや1日のスケジュールなどを聞かれたとのことです。
自分が研究者になってからは、『あいつは博士号をカネで買った』『指導教授とデキてた』など、気に入らない女性の院生・研究者に、事実と異なる噂を流すケースも見聞きしましたね。よく『女の嫉妬は怖い』なんて言いますが、男のほうが陰湿で強烈だと思いますよ」(Bさん)
「自身の女子学生に手を出している教授がいました。しかし、小ずるく証拠を残さない上に、学生のほうも見返りがあったことから、被害を告発する人は出ていません。
このように、アカデミックの世界は例に漏れず男性社会で、前時代的な価値観が若手研究者にも受け継がれています。別の大学で修士号をとった男性の友人からは、飲み会で先輩が『あの娘も教授になりたいならケツくらい触られないと生き残れないよ(笑)』と、その場にいない同期の女性を評していたという話も聞きました」(Cさん)
もちろんすべての教授がハラスメント気質という訳ではない。
学部生の話ではあるが、都内の有名私立大学のある教授は「学ぶ意識が低く、お客様と勘違いして大学にくる生徒が多い」「課題をだすと平気でAIに頼って論文をだしてくる」と“質”を指摘。「とはいえコミニケーションがとりづらい学生と飲みにいくのも、SNSでさらされる可能性もあり、飲んでも酔えない」と悩みを語った。
大学、研究機関からハラスメントがなくなる日は来るのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 サムネイル/Shutterstock