「万博の華」海外パビリオン、一部閉館中も

特に「万博の華」と言われるのが、海外パビリオンだ。今回は史上最多となる160以上の国・地域、国際機関が参加しており、参加国が事前出展する「タイプA」の海外パビリオンは計42館。一方、インドやチリ、ネパールなどの数カ国のパビリオンは内装上の工事が完了していないなどの理由で、開幕日でも閉館中だった。

こうした状況に千葉県から早朝発の飛行機に乗って来場した30代の男性は不満を吐露した。

「事前予約の必要ない小さめの海外パビリオンだと、まだ展示物がそろってないのか、映像でまとめていたり、ショーケースも充実していない印象でした。愛知万博のときに万博にハマって最新技術に生で触れ合えることに期待してましたが、人気のパビリオンは予約が取れないとあきらめないといけない。

少し並んで入れるパビリオンは、映像と科学館の延長線上のような展示物ばかり。今日以外にも数枚チケットを買って来週にも万博に行く予定なので、第一希望の『大阪ヘルスケアパビリオン』に次こそは入りたいな」

「万博の華」である海外パビリオン・オーストリア館
「万博の華」である海外パビリオン・オーストリア館
開幕に間に合わなかったインド館
開幕に間に合わなかったインド館

今回、「並ばない万博」をうたっている日本博覧会協会だが、人気のパビリオンも完全事前予約制のため、並ばない代わりに予約を取れず、諦めざるを得ない状況になってしまう来場客も多数いた。また予約や支払いもスマホありきのため、不満の声も。

「今日は夫と来たからいいんですけど、次は家族全員で来たいねって話してて。でもうちのおじいちゃんとおばあちゃん、キャッシュレス決済が分からないと思うんですよね。スマホの操作すら曖昧で。お年寄りにはいちいちチケットのURLを出してってかなり難易度高いと思うんです」(奈良県在住、40代女性)

184日間の祭典がスタートを切ったが、始まりと同時に来場者から幾つかの改善点も指摘されている。全ての世代が安心安全に楽しめるよう、会期中さらにより良く進化する万博になることを期待したい。

取材・文・撮影/木下未希 集英社オンライン編集部