斎藤知事再選後、転職の動きに拍車がかかった。
別の県議会関係者によると、職員流出拡大の動きは昨年末ごろから土木部門を中心に顕在化していたという。この関係者が事情を話す。
「実は職員の流出は、斎藤知事の疑惑が拡大する前から少しずつ起きていました。原因はやはり斎藤知事の政策です。兵庫県では30年前の阪神・淡路大震災の後、街の復興が優先され、県庁の建て替えが後回しにされました。
いよいよ耐震性に問題があるとして建て替え議論が本格化していた2021年夏に斎藤知事が最初の選挙で当選したんです。その斎藤さんが打ち出したのが、県庁の主な建物は建て替えをやめて取り壊すだけにし、オフィスがなくなった職員の出勤率を4割まで抑え残りは在宅ワークをするというプランです。
あまりに非現実的で職員の反発はすさまじく、このころから県を離れる職員が出始めていました。斎藤知事は昨年11月の出直し知事選でも、『建て替えに1000億円もかかる豪華な県庁舎なんかいらない』と訴え、これがウケました。
しかし再選後、県庁舎の建て替えはやはり不可避だと悟ったようで、準備が進んでいます。ところが計画を止めていた間に資材費などが高騰し、予算の見通しが1000億円を超える事態になっています」(県議会関係者)
県議会の不信任決議を受けて失職した斎藤知事が出直し知事選で逆転勝利を収めると、パワハラの実態を肌で感じていた職員らは動揺し、しばらくして転職の動きに拍車がかかったという。