「会見で鋭い質問が出ると県の広報担当部署に“抗議電話”がかかってきます」 

県人事課は昨年度の退職者数の動向に関するデータはまとまっていないと説明し、数字で流出の実態を見ることはできないが、県議会関係者は「職員が集まれば神戸市や阪神地域の自治体の採用活動に関する情報交換が行なわれています。もともと兵庫県職員に採用されるような人材なので、どこの自治体も採用できれば採用したいのが本音で、市町の方からは県職員を積極的に確保しようという動きまで出ています」と話す。

「再選された後の斎藤知事の態度が決定的でした。斎藤知事の疑惑を追及した竹内英明元県議は選挙中からネットなどでの誹謗中傷を受けた末に今年1月に自死しましたが、斎藤知事は一般論を言うばかりで、そうした攻撃をやめろと明確に言わなかった。

また、記者会見で県の問題を指摘されると、担当部署が決めたことだと責任を回避する姿勢が目立ちます。会見で鋭い質問が出ると、今度は県の広報担当部署に“抗議電話”がかかってきます。斎藤知事の支持者を名乗る人が、質問をした記者を会見に出席させたことを抗議しようと“犬笛”を吹いているようです。

こうした記者や、斎藤知事を追及してきた県議らには殺害を予告するようなメールが数千通も届く異常な状況になっています。関係する何人もが亡くなり、トップは責任を取らず、ネットでの誹謗中傷は放置され、抗議もくる…。兵庫県庁は働く職場として危険すぎます」(県職員)

昨年12月25日、兵庫県議会百条委で証人尋問を受ける斎藤元彦知事(撮影/集英社オンライン)
昨年12月25日、兵庫県議会百条委で証人尋問を受ける斎藤元彦知事(撮影/集英社オンライン)
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斎藤知事は4月9日の定例記者会見で、新規採用予定者の中で辞退者が増えた理由を把握しているかと問われ、

「私は承知はしてないですけども、新規採用の職員の方がこの4月から入庁していただいたということ、そして県政を共に進めていくということで、一緒に働くことができるということになったことについては本当に歓迎を申し上げたい」

とかみ合わない答えを返した。

職員自身が「危険すぎる」と怯える兵庫県庁。行政サービスの劣化に直結する、職員の流出が広がっていることに斎藤知事が目を向けることはあるのだろうか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班