【考え直したい留学②】中学時点での長期留学
今は中学から留学させて寮生活を体験させるという方も増えています。
中学生の時期は、人間の体内ではホルモンが過剰に産生される第二次性徴期という難しい時期にあたります。いわゆる思春期です。
思春期は体も心も不安定なので、親のサポートが必要です。過干渉するのではなく、あなたのことをちゃんと見守っているという信号を発することで、子どもは安心するのです。
私は、中学から親元を離れて留学させることについては反対です。中学になれば確かに背丈も伸び、男子であれば声変わりして急に大人びてきます。しかし、外見に変化が現れたとしても、精神はしっかりと成熟したとはいえないのが思春期です。
文化の違いや日本語が通じない環境、周囲に友達も親もおらず、さらに欧米ではアジア人に対する差別も根強くあります。ただでさえ不安を抱えやすい時期に、ストレスの多い環境で果たして集中して勉学に励むことができるでしょうか。
ちなみに、女児よりもストレスを抱えやすい男児の場合は、海外で暮らすなら、高校、あるいは大学時代が望ましいと考えている専門家もいます(*)。
(*繁桝算男、内田伸子、酒井邦嘉、中室牧子「早期教育の光と影」準備委員会企画シンポジウム 日本教育心理学会 第61回総会発表論文集(2019年) https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/61/0/61_6/_article/-char/ja/)
早くから母国語以外の言語を勉強しても、ネイティブにはなれません。それならば、必要だ、使いたいと本人が思ってから勉強するのでも遅くはないと思います。
私も留学するならば高校生、または大学生になってからがよいと思っています。もちろん、社会に出てからでも遅くはないと思います。