「児童相談所に子どもを連れて行かれた」とずっと泣きわめいていた
複雑な家庭環境で育った佐藤さんの母親は、山形市内の繁華街ではちょっとした有名人だったという。
「彼女の母親は市内の繁華街周辺でよく飲み歩いている人で、愛里が働いていたキャバクラにも飲みに行っていたようです。その時の様子をお店の女の子から聞いたところ、支払いのタイミングになると『愛里が払うから』と払わずに帰っていったそうです。
そんなこともあり、愛里は放置されて育った印象を受けます。愛里が山形の夜のお店で働いていたのは私が知る限りは2店舗ですね。高野容疑者も来たと言われている店には半年ほどいました。
仕事自体は一生懸命頑張っていましたが、ときどき変な行動をして怒られていました。他の女の子にお客さんが卸したシャンパンがテーブルに置かれてると、何も言わずに突然それを写メで撮ったりするんですよ。たぶん、自分に卸してもらったとSNSとかに載せたかったのだと思います」
また、佐藤さんは自分の子供に対しても、不思議な接し方をしていたようだ。
「愛里には当時1歳くらいの子どもがいて、その子を託児所に預けて働いていました。私も会ったことがありますが、とても可愛い子ですよ。
年頃だった愛里は仕事が終わっても迎えにいかずにそのまま飲みに行くこともありました。その度に託児所からキャバクラに電話があり、愛里がようやく迎えに行くということが何度もあって、お店の人にも怒られていました。
パートナーの男性と最終的にどうなったかはわかりませんが、当時は一緒にいたと思いますよ。私も『子どもにとってお母さんは愛里しかいないんだから』と何度か怒り、愛里も『わかった』と素直に謝るんだけど、同じことを何度も繰り返してしまうんです」
その後、子どもは児童相談所預かりという帰結を迎えたようだ。
「キャバクラのバックヤードで愛里が『児童相談所に子どもを連れて行かれた』とずっと泣きわめいていたことがあったそうです。結局、愛里はそのキャバクラを、最後は無断欠勤を繰り返してやめています。愛里が飲み歩いていたお店との間でお金のトラブルになって、居場所がなくなったんです。
子どもと離れてしまった寂しさもあったんじゃないですかね。事件についてはもちろん知っていますが、愛里に関しては色々な情報が出すぎててそれを見るたびに複雑な気持ちになります」