過去二刀流シーズンの課題
昨年は打者に専念した大谷だが、二刀流への完全復活が期待される今シーズンはどんな成績を残すのか。ここで二刀流時代の成績を振り返ってみよう。
15勝9敗、投球回166、219奪三振と投手としてのパフォーマンスが高かった2022年の打撃成績は打率.273、34本塁打、95打点、OPS.875と大谷にしては物足りなかった。二刀流に挑むシーズンは6月をピークに、7月は疲れの影響で成績を下げる傾向にあった。
それが2023年はシーズン前にWBCに出場したものの、投手として10勝5敗、投球回132、167奪三振、防御率3.14としっかりエース級の活躍をしつつ、打者として打率.310、44本塁打、95打点、OPS1.066という圧倒的な成績を残した。
つまり、今シーズンは投手復帰となれば、6月以降も状態を維持することがカギとなりそうだ。
その点で、ドジャースに所属しているメリットが出てくると筆者は見ている。というのも、ドジャースは野手の選手層が非常に厚く、休養日をとりながら出場することも可能だからだ。定期的に休養日を作ることで、投打バランスよくパフォーマンスを発揮できる可能性が高まるのではないか。
最初のトミー・ジョン手術明けとなった2020年の投手成績は未勝利でキャリアワーストだったこともあり、2度目のトミー・ジョン手術明けの今季ももちろん不安はある。
しかし、2022年のようなピッチングができればサイ・ヤング賞争いに加われる可能性も高い。
野手タイトルとサイ・ヤング賞の両方を獲得することになれば、3年連続のMVPも視野に入る。まさに“大谷一強時代”だ。