「あやうく、また2万3000円騙されるところでした」
それはコンビニ払いのバーコードが送られてきて、指定のコンビニで支払ってくれというもの。
「コンビニで代金を払えば印字されたチケットが発行されるからと連絡が来ました。『これなら騙される心配はないぞ!』と急ぎ足で指定のコンビニに行きました。
念のため店員さんに、『これを支払うとチケットって発券されますよね?』と聞いてみたんです」
すると意外な答えが返ってきたという。
「『こちらは、プリペイドクレジットカードへチャージするバーコードなのでチケット発券は行なわれませんよ』と言われました。危うく、また2万3000円騙されるところでした。
手口としては、コンビニの店頭に設置してあるマルチメディア端末でプリペイドクレジットカードへチャージするバーコードを発券して、それを切り取りバーコードを撮影し、写真をDMで送るといった仕組みでした」
2度目の詐欺に遭いかけたAさんはこう警告する。
「SNS上でのチケット譲渡の書き込みは、多くが詐欺なんじゃないでしょうか。推しのチケットが買えると思うと、冷静な判断ができなくなるので、そこを詐欺師はついてきます。
相手とのやりとりの中で、万が一『身分証明書を出してくれ』と言われても絶対に出さないでください。別な詐欺行為に使われるのは目に見えてます」
何人もの詐欺師と対峙したAさんだが、相手から提示された身分証明書は若い女性が多かったという。くれぐれもDMなどで身分証明書のやり取りはしないように注意してほしい。
取材・文/山崎尚哉