漸進性(ぜんしんせい)の原則

「漸進性の原則」とは、無理せず焦らず、少しずつ進めなさいということである。「遅れを早く挽回したい」「より強くなりたい」と思う気持ちが引き金となって、この「漸進性の原則」を無視してしまうことが多い。

本来であれば、自らのペースで強化していくべきところを、故障あるいは病気でトレーニングを中断せざるを得ず、気持ちに余裕がなくなり、従来行なってきた以上のトレーニングを行なってしまう。

はじめはこなせても、病みあがりや故障後の身体は、一気に疲労感や倦怠感に襲われて体調を崩す。また病気や故障でなくとも、自己の記録を更新したい一心で、普段より質・量共に多いトレーニングをしてしまう。

一気にトレーニング量を増やすことによって、疲労困憊となり、逆にパフォーマンスを低下させる。

「目的をもって、無理せず、繰り返す」一流アスリートが実践するトレーニングの原則が仕事にも活かせる単純な理由_2

このようなときには、余裕を持ったトレーニングで慣らしていく。私もかつて、息子や娘にもそうさせた。腹八分目どころか、さらに練習量を少なくさせる。本人たちも心配になるほどに。

「漸進性の原則」は、日常生活のリハビリについても同じことが当てはまる。リハビリと同じように焦らず、少しずつ心と身体に弱い刺激をかけて、復帰していくことである。