ぎっくり腰の予防法

ぎっくり腰を起こさない、繰り返さないためには、次のようなことが予防につながります。

ぎっくり腰になりやすい姿勢を取らない

・荷物を持つ時

床に置いた荷物を持ち上げるのは、ぎっくり腰を引き起こしやすい動作の1つです。立ったまま腰だけ曲げて荷物を持ったり、腕の力だけで持ち上げようとしないようにしましょう。

正しい持ち方は、まず股関節と膝を曲げて腰を落とし、体と荷物を近づけます。下腹を前に突き出して、腰椎のS字カーブが保たれた姿勢を意識しましょう。次に、勢いよく持ち上げず、まずはおおよその重さを把握してから、腕ではなく脚の力でゆっくりと持ち上げます。

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・くしゃみやせきをする時
激しいくしゃみやせきをした時に、ぎっくり腰を起こすことがあります。上体が勢いよく前屈して、腰椎や椎間板に急激に圧がかかるためです。ぎっくり腰の予防では、このように腰椎に大きな圧力が急激にかかるような動作や姿勢をしないことが大切です。

もし、くしゃみやせきが出そうになったら、上体を起こして胸を張り、少し腰を反らせます。腰のS字カーブを保つ姿勢を意識することで、S字がくしゃみやせきの衝撃を吸収して腰椎を守ります。また、壁などに手をついてくしゃみやせきをすると、急激な前屈を防げます。

・その他、日常生活で気をつけるべき姿勢
朝起きる時は、誰でも体が硬くなっているものです。すぐに体を起こそうとせず、布団の中で少し動いてから、ゆっくり起き上がるようにしましょう。体を少しほぐしてから活動するほうが、ぎっくり腰などのトラブルは少なくなります。

また、洗顔の際に前かがみになる姿勢は腰に負担がかかります。洗顔する時は腰だけで前屈せず、両脚を前後に開き、膝も少し曲げると、腰にかかる負担を軽減できます。

座りっぱなしは要注意! 体を動かして筋力と柔軟性を保とう

ぎっくり腰の原因ははっきりしておらず、決定的な予防策はありませんが、腰痛の多くは日々の生活の負担が積み重なって発症します。運動不足で筋肉が衰えてしまったり、長時間座りっぱなしのデスクワークなどをしていたりすると、肩や背中、腰などの筋肉が硬直して、腰椎の柔軟性が失われてしまいます。

腰痛の予防には姿勢の改善、ストレッチやウォーキングなど適度な運動で筋肉や関節の柔軟性を保つこと。そして、体を支える筋肉の強化の2つが重要です。

また、ぎっくり腰になる人は体が硬い人が多く、特に太ももの筋肉が硬いという共通点があります。以下のようなストレッチを続けることが予防につながります。

<ぎっくり腰予防におすすめのストレッチ>

・キャットキャメル
背骨の柔軟性を高める体操で、その見た目からキャットキャメル(猫とラクダ)と呼ばれます。

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①猫のポーズ……四つんばいになってひじを伸ばし、顔を正面に向ける。息を吸いながら肩甲骨を軽く寄せ、背中を反らすように力を入れる。
②ラクダのポーズ……ひじは伸ばさずに軽く曲げ、息を吐きながら背中を丸めてお腹をのぞき込む。この時、ラクダのコブのように背中を突き出して丸め、首に力を入れないこと。
③猫のポーズとラクダのポーズをゆっくりと、痛みの出ない範囲で、できるだけ大きく交互に5回ずつ行う。

・膝抱え体操

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膝を抱えることで、背中を伸ばします。痛みがなければ首を上げて行うとより効果的です。
①両膝を抱え、背中丸めるイメージで胸に膝を引き寄せる。
②20秒間姿勢を保つ。これを2セット繰り返す。

・太もも伸ばし体操

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太もものストレッチです。太ももの裏が伸びていることを意識して行いましょう。

①いすに浅く座って膝を伸ばし、足首は上へ引き上げるように反らす。
②腰を丸めずに、上体を前に倒す。
③20秒間姿勢を保つ。反対の脚も行い、2セット繰り返す。

監修/三浦恭志(東京腰痛クリニック 院長)

本記事は、人には言いづらい悩みの原因、症状、改善や予防法など健康情報が豊富な大正健康ナビの記事を再編集し、お届けしています。
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