41歳で上京、42歳でTHE SECOND王者…ガクテンソク・奥田修二の「日々、恥ずかしい人生」でも悩まない40歳からの勝利の美学
2024年、「THE SECOND~漫才トーナメント~」で王者に輝いたガクテンソク。ツッコミの奥田修二さん(43歳)は、バラエティー番組「有吉の壁」で、ぱーてぃーちゃん・金子きょんちぃさんと披露したコント「京佳お嬢様と奥田執事」が大バズり。
SNSアカウントの開設や漫画化が決定するなど、その影響は広がり続けている。かっこつけず、焦らず、自分らしく四十路独身道を歩む奥田さんに、「40歳からの生きる美学」について話を聞いた。(前後編の前編)
四十路独身#1
死ぬときに、「以上、奥田修二でした」と言える人生でありたい
THE SECOND王者を経て、公私ともに「面白いこと」につながる人生を謳歌している奥田さん。今後については、「目標というのもおこがましいですが、いろいろな仕事を引き受ける中で、自分がどうなっていくのか楽しみ」と語る。
「以前、銀シャリの橋本(直)さんと一緒に出演したトークショーの質問コーナーで、お客さんから『落ち込んだり、へこんだりしたときはどうしますか?』と聞かれたことがあります。でも、僕はそもそも落ち込んだり、へこんだりしないんです。うまくいかないことが当たり前だと思っているので。
野球に喩えるなら、『いつかうまくいく』と信じて20年間練習するのは無理がある。うまくいかないのが普通で、うまくいくことのほうが奇跡だと思っているから、何が起きてもへこまないんです。
だからこそ、結局『何者か』にはなれていないのかもしれませんが、それはそれでいい。なれるか、なれないかはともかく、最終的に死ぬときに『以上、奥田修二でした』と思える人生だったら、それで十分。結局のところ、粛々と生きていくだけですね」
後編へつづく
後編ではTHE SECOND2025の優勝予想をズバリ!
昨年からはテレビでの活躍も光る
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取材・文/橋本岬 撮影/高木陽春
奥田修二(おくだ・しゅうじ)
1982年3月3日、兵庫県生まれ。2005年、よじょうと「学天即」を結成。同年の『M-1グランプリ』にてアマチュアながら準決勝進出を果たす。2007年より吉本興業に所属。2013年の「NHK新人演芸大賞」演芸部門大賞、2014年の第49回「上方漫才大賞」新人賞、2015年の第4回「ytv漫才新人賞」優勝、第50回「上方漫才大賞」奨励賞など、受賞歴多数。
2025年2月14日(金)
1650円(税込)
四六判ソフトカバー 224ページ
ISBN: 978-4847075278
【15年間のM-1グランプリ挑戦】【四十代独身ライフ】【芸歴18年目の上京】【『THE SECOND』優勝】…… ガクテンソク奥田修二が「四十路独身上京漫才師」としての日々を綴った初エッセイ集。 2005年、よじょうと「学天即」を結成し、同年の『M-1グランプリ』にてアマチュアながら準決勝進出を果たして以来、大阪を拠点に劇場、テレビで活躍し、数々の漫才賞を受賞。しかし、M-1はラストイヤーまで挑戦するも決勝の舞台に立つことは叶わず……。その後、「ガクテンソク」に改名し、2023年、41歳で上京。同年にスタートした結成16年以上の漫才師のための賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』に挑戦し、第1回大会はベスト32で敗退。そして翌2024年の第2回大会で優勝を果たしました。 その喜びを綴った『note』のエッセイが注目され、「笑って泣ける」「映画を観ているような臨場感」「周りの人の考察や自身の心情が細かく書かれて自分が漫才師になった感覚に」など、賞レースに挑む芸人の生き様をありありと描いた文章は多くの方に読まれました。 『THE SECOND』で2度対戦したマシンガンズ・滝沢秀一さんも熱い推薦コメントが! こんなに冷静に客を見ている漫才師は他にいない。 この本をNSCの教科書に推薦します。 (本書より)[チャンピオンになるまでに19年かかってるということは、普通に考えて「遅咲き」ですよね。考えようによっては「燻っていた」とも言えます。でも咲くことをあきらめていなかったし、腐ってもいなかったんだと思います] 優勝の瞬間、「何者かにな、なれっ、たんですけど!」と噛みながらコメントした奥田。 しかし今は「何者かになれてない」と言います。その真意とは? noteの連載を大幅に加筆修正、書き下ろし・語りおろしを半分以上収録したエッセイ完全版となる本書。 お笑いファンのみならず、何者かになりたくて頑張っている人、何者かになりたかった人に響く一冊です!